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メディアも識者もわめくだけ

秋葉復興相が公職選挙法違反などの疑惑を指摘され、岸田首相に辞表を提出、更迭されました。閣僚の辞任は10月以降、4人目で、首相が任命した閣僚19人中4人を数えます。民間会社なら役員が4人も続けて辞任すれば、経営トップの首も危ういのに、政治ではそうにはならないようです。

新聞・テレビなどのメディアや識者らが「首相の任命責任を問う」と叫んでいます。「首相の任命責任」という言葉ほど、実態があいまいなものはない。首相に「任命責任」をどういう形でとらせるのか明言しない。言葉をもて遊んでいる空疎な政治ゲームなのです。

公選法違反という法的疑惑(政治資金で身内に多額の賃貸料の支払い)、反社会活動を糾弾されている旧統一教会との関わり、語るに落ちる発言(法相は死刑のハンコを押す地味な仕事)と、更迭の理由は多種多様で驚く。個人というより、政治全体の規範が緩んでいる。

駆け出しの議員ならともかく、閣僚に起用された議員が初歩的、常識以下の失態を次々に繰り返す。こともあろうに最高学府の東大卒、それも法学部卒が2人も含まれている。日本の政治、日本の学歴はどうなってしまったのか。本当の危機がそこに潜んでいると思います。

閣僚候補になる当選回数に至ったら、まず常識テストを含め、大学レベルの試験を受けさせる。合格したら次のステップに進む。不合格だったら勉強をし直し、再試験を受ける。そんなことまでいいたくなります。