果物をデザートに仕立てて、価値が飛躍

デザートである果物には、まさにデザートとして付加価値を高める道もあります。これまでも青果のフルーツを使ったタルトや杏仁豆腐、フルーツサンドといった商品開発は見られました。最近の店舗ではゼリーの商品化を続けて見ました。
東武ストアが12月に展開を始めた「オリジナル フルーツゼリー」は、カットフルーツをより食べやすくするための工夫だそうです。第1弾商品のうち「シャインマスカットといちごのゼリー」で本体価格398円。生のフルーツを使ったデザートとしてはリーズナブルですが、日配のデザートと比較すれば、それなりの付加価値商品です。
11月末オープンのヨークフーズ with ザ・ガーデン自由が丘 西落合店(東京都新宿区)では、オリジナルデザートの新作「あまおう苺のとろけるジュレ」が本体価格1200円でした。この価格帯、まさに価値創造。時代は変わろうとしているという衝撃を受けました。
ジュレの下段には、やはりオリジナルの「フルーツビネガー」を陳列、これも1380~1780円の新価値創造アイテムでした。インフレ時代における果物の可能性を感じた次第です。
実は日常食の野菜にも、デザートに発展する芽はあります。

2022年は、何度目になるのか分かりませんが、焼き芋をはじめとするサツマイモスイーツがブームになりました。焼き芋や大学芋を冷やして食べるスタイルが広まり、コンビニではミニストップが今夏、温かい焼き芋にソフトクリームをのせる「台湾蜜いもソフト」(本体価格360円)をヒットさせました。
価値創造の競争では、どんな商品設計だって起こりえるのだと思うこの頃です。
提供元・DCSオンライン
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