Q9. せめてロシアの爆撃ぐらい止められないんでしょうか?

ウクライナはNATOがウクライナ上空に飛行禁止空域を設定して守ってほしいと頼んでいますが、NATOは応じていません。戦闘空域を設定すると、NATOの戦闘機がウクライナ上空に入り、ロシアの爆撃機が入ってきたら撃墜します。プーチン大統領はそれをロシアへの攻撃とみなして、核兵器で攻撃するおそれがあるからです。

NATOの事務総長もいっているように、核兵器の応酬が始まると、ウクライナ領内ではすまず、ヨーロッパ全体を巻き込む第3次世界大戦になる可能性があるので、飛行禁止空域も設定していないのです。

Q10. なんか冷たいですね。ウクライナを助ける方法はないんですか?

銀行の国際送金システム(SWIFT)からロシアの銀行を排除するとか、各国の中央銀行がもっているロシアの外貨を差し押さえるとか、経済制裁はやっていますが、これはすぐきくわけではありません。

ただ長期戦をやるには補給が必要ですから、外貨の半分が差し押さえられて海外から物資が入ってこなくなり、はらうお金もなくなります。そうなるとかえって一発逆転をねらって、核兵器を使う危険もあります。

ただウクライナ領内で核兵器が使われるとすれば、対戦車ミサイルのような小型の戦術核兵器なので、この映画みたいに核兵器の応酬で世界が全滅するわけではありません。日本のよい子のみなさんはそれほど心配しなくてもいいと思います。

文・池田 信夫/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?