利益以外の国際問題に取り組む姿勢が主流に?
世界中のクラブの手本となっているバルサだが、その後を忠実に追っているのが冒頭に紹介したノッティンガム・フォレストとなる。2022年12月22日にノッティンガム・フォレストはバルサと共に、英国UNHCRとスポンサーシップを結んだ。
バルサの場合は特に難民の子供達を重点的に支援をしているが、ノッティンガム・フォレストは難民全体に対しての支援を行っており、最近だとウクライナからの避難民への援助などが挙げられる。ノッティンガム・フォレストの発表により、NGO(非政府団体)やNPO(非営利団体)などとサッカークラブが契約をし、利益以外の国際問題に取り組む姿勢は、今後主流となることも考えられるだろう。
国際問題の解決にサッカー
2020年から世界中がパンデミックという信じがたい状況に陥り、それとほぼ重なるように気候変動の悪化や、ロシアのウクライナ侵攻で資源不足など、非常に多くの問題がより浮き彫りとなった。もはや見て見ぬふりができない状況下で改めて意識したいのが、2015年に国連が制定したSDGs(持続可能な開発目標)の存在だ。
2030年までに17の目標を世界中の皆で解決していこうというSDGs。中には「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、バルサとノッティンガム・フォレストが取り組んでいる活動と合致する部分がある。するとサッカーを切り札にSDGsの目標を解決できるのではないか?と、考えた国連は、2022年7月6日に「Football For The Goals(FFTG)」というSDGsのサッカー版を打ち出したのだ。
サッカーの可能性は無限大であり、世界共通の存在として柔軟に複雑な問題を解決できることが期待されている。現時点で、アジアサッカー連盟(AFC)、欧州サッカー協会連合(UEFA)、セリエA、アヤックス・アムステルダム等、その他約100以上のサッカーに関連する組織や団体がFFTGに登録している。
このFFTGの存在や、バルサやノッティンガム・フォレストの先駆的な動きから、近い将来にはサッカーが国際問題の解決に必須の存在となっているかもしれない。