レーシングドライバーとして活動する私が、時速300kmに耐えるカラダ作りのために始めた筋トレ。その筋トレが私の人生を変えてくれました。レース出場後も、筋トレの魅力に惹き込まれ本格的なトレーニングを続け、大澤直子先生と二人三脚でウーマンズレギンス大会出場を果たしました。今後もレース活動を続けながら、さまざまなボディコンテストに挑戦する様子をリアルにお伝えしていきます。
努力は裏切らない。初参戦のウーマンズレギンス163cm超級で3位に!
今年の初めから、女性のためのトレーニング雑誌「Woman’s SHAPE」の企画で6カ月に渡り、“マッスルnao”で知られる大澤直子先生と二人三脚で筋トレに励み、7月27日に開催された『マッスルゲート東京スポルテック大会』のウーマンズレギンス163㎝超級へ参戦し、初出場で3位となることができました。
ボディコンテスト出場のきっかけは大澤先生の「大会にも出てみたらいいんじゃない?」という一言でしたが、「プロドライバーの私が本当に参戦してもいいんだろうか?」「フィットネスのプロたちが戦う舞台に私が立ってもいいのかな?」「最下位になってしまったらどうしよう……」など最初はこんな悩みが頭の中を巡っていました。
でも……、「やっぱり、筋トレは裏切らない!」そう再確認しました。
私が初めて「筋トレ」と出会ったのは2014年でした。2015年から「ポルシェカレラカップジャパン」へのフル参戦が決まったことで、自分の身体を時速300kmでも最高のパフォーマンスを発揮できるものへと進化させる必要がありました。ポルシェの最大時速は300km。スピードを完璧にコントロールするため、3~3.5Gにもなる横G(コーナーを曲がる際に身体にかかる重力)に耐えることが参戦の最低条件でもありました。ジェットコースターでも1.5G程度ですので、その2倍の重力が2時間近く身体にかかる環境は非常に過酷なものです。
女性が参戦した前例がないということで、一切のデータはなく手探りの中で自分だけの答えを作り出す必要がありました。カラダ作りもその一つ。レースで疲れることなく、力を発揮する体幹や筋肉の育て方、パワーを最大限に発揮できる姿勢、真夏では50度を超えるマシンの中で耐えるための食事など、ありとあらゆる試行錯誤を経て、初参戦したシーズンでチーム優勝を獲得することができました。
これまで捧げてきた時間や労力、さまざまなサポートをしてくれた方々に報いることができたことが私の自信にもなりました。筋トレを続けたことで強い身体と精神が身につきました。筋トレは裏切らない。と初めて確信した瞬間でした。
レーシングドライバーとフィットネスの二刀流
現役のレーシングドライバーとして、今もレーシングスーツに身を包み日本各地を転戦していますが、それと同時にフィットネスの大会にも引き続き参戦していくことに決めました。なぜなら、レースの世界は男性社会で、その中で生きるからこそ女性アスリートとして速さと共に「美」を追求したいと考えているから。そして、年齢で判断するのではなく、鏡で見た自分の姿を好きであり続けたいという女性なら誰もが抱く思いを私も持っているから。この2つが大きな理由です。
また、トレーニングがプロドライバーとしてのパフォーマンスアップに直結することはすでに経験済みです。2023年からはアメリカでの活動も目指して、ドライバーとしての活動が忙しくなりますが、筋トレやトレーニングは必ず続けてどこで戦っても負けない身体と精神を鍛え続けます。もちろん、負けず嫌いな私はフィットネスの大会でも優勝を狙っています。初出場3位は一つの結果として「良くやった」と思っていますが、まだまだ満足はしていません。すでに次の大会への参戦も決めており、10月2日の『ドリームモデル東京大会』、そして10月23日の『ドリームモデル愛知大会』へエントリーしています。まずは10月2日の大会出場に向け連載を続けていきますので、ぜひ塚本ナナミのリアルなトレーニングの記録を楽しみながらご覧いただければと思います。
※【レーシングドライバー塚本ナナミ・ドレス女王への挑戦②】は9/27 19:00掲載予定。