ラーメン二郎をはしごするほどの40代大食漢が大会優勝するまで絞った方法
(画像=『FITNESS LOVE』より引用)

11月5日に開催されたマッスルゲート静岡のボディビル75kg以下級で優勝した小林晃人選手(43)。ストレス解消のためと40歳を越えてから始めた筋トレにはまった小林選手。ラーメン二郎をはしごしてしまうほどの大食漢だという小林選手の減量法とは?

取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介

──いつからトレーニングを始めましたか。
「2020年の8月頃からです。元々トレーニングは好きでした。20歳、30歳、40歳と10年サイクルでブームが来てる感じです。でも過去は細マッチョな身体がかっこいいと思ってトレーニングしていました。主に自重トレーニング、HIIT、バーピースクワットなどをやっていました。でも今回のマッスルゲートに向けては、身体を大きくしたいと思いウエイトトレーニングを始めました。12kg以上のダンベルを持つのは人生で初めてでした。12kg以上になるとふちが黒くて大きくてゴツいんですよね。ダンベルのビジュアルにビビりながらも徐々に重量を伸ばしていきました」

──2020年にトレーニングをはじめた理由は何だったのですか?
「仕事に行き詰まってストレス解消のために始めました。私は子どものころから将棋が好きなんですが、事務仕事で昼間は座っていることが多いのに、休日に将棋をやっても座りっぱなしで。なかなかストレス解消になりませんでした。他にも何でも試せるものは試そうと、公園を散歩する、美術館に行って絵を見る、好きなものを食べまくる、たくさん寝る、ランニング、などいろいろチャレンジしました。その中に筋トレもあって、筋トレだけが続きました。そしてとことんハマって今に至ります」

──大会出場を決めた理由は?
「せっかくなら鍛えた身体を記念に映像に残しておきたいなと思うようになりました。また昔からボディビルの世界観に共感していて、観客として観に行きたいとも思っていたくらいでした。あとプロレスが大好きなこともあり大きな筋肉や身体に強い憧れがずっとあるんです。なので、もうこれは良い機会なので自分がボディビルに挑戦してみようと思いました」

──トレーニングをしていて良かったことは何ですか。
「昔は満員電車に乗るとすぐに腰が痛くなったものでしたが、今はそういうのはなくなりました。それから自信がついたような気がします。堂々と歩けるようになりました。これは良いことか分かりませんがウエイトトレーニングを始める前に着ていたワイシャツが全て着られなくなりました。トレーニング前は細いのがカッコいいと思ってジャストサイズを好んで着ていたの……。買い替えの出費は痛かったですが嬉しいですよね。今はそれを話のネタにしています」

──仕事とトレーニングの両立についてはいかがですか?
「メリハリつけて働くようになりました。トレーニング時間確保のため、明日できることであれば思い切って切り上げるようにしています。あと仕事でどんなに帰りが遅くなって時間がなくても、筋トレする日であれば例え1セットだけでも集中してやります。実際に10分1本勝負のときもあります」

──食事でこだわっていることは何ですか。
「お金をかけすぎると金欠になってボディメイクを嫌いになる理由を作ると思っています。ですので食材に極力お金をかけないように意識しています。好きなYouTuberが勧めているとすぐ真似して買いたくなりますが、そこは我慢するようにしています。誘惑に負けることもしばしばですが……。具体的には、私は比較的同じものを食べ続けても気にならないタイプなので鶏の胸肉や鶏卵、納豆など安価で王道なものを食べています。あとは調理は凝らずにシンプルにしています。面倒だと長く続けられないですからね。減量期にどうしても暴食したくなったら糖質中心のチートを入れます。どら焼きが好きなのでどら焼きを10個とか食べたりします」

──減量で意識していることがあれば教えてください。
「インターネットでいろんな方が情報発信されているのでそれを参考にしています。今回は3カ月かけて減量しました。ローファット→ケトジェニック→ローファットの順番で1カ月ずつやってみました。ローファットのよきは鶏むね肉と野菜とご飯を炒めてカレールーで味付けして食べてました。YouTuberの方が紹介していたものを参考にしたのですが効果絶大でした。ケトジェニックは初めてやってみました。こちらもお金をかけずに、鶏もも肉や鶏卵を中心にやりました。ローファットで割と絞れたため、ケトジェニックでは数字としての効果はあまり感じませんでしたが、ローファットと食べられるものが全く違うので気分転換に良かったです。最後はまたローファットに戻しました」

──バルクアップで意識していることがあれば教えてください。
「ラーメン二郎のはしごができるくらいの大食漢なので体重を増やすことには全く苦労しないのですが、今回の大会後はいかにリーンな食事で体重を増やせるか頑張ってみたいです。白米が大好きなので鶏むね肉と白米をひたすら食べるとか。どうなるのか楽しみです」

──今大会に向けトレーニングをトレーニングをて強化した部位やポイント
「筋トレを始めた当初は大胸筋ばかりやっていました。なので自分としては大胸筋はそこそこ育ったと思っています。でも大会に出てみて全体的に身体が小さいと思いました。というかトレーニングするほど自分が小さく思えて困っています」

──これから大会を目指す方へのアドバイスをお願いします。
「身体がもう少し大きくなってから、もう少しトレーニングをしてから出ようと思う方は多いと思います。私もそうでした。確かに順位がつくので出場は勇気が要ると思います。また家族を説得する、仕事の調整をする、ご自身の健康など環境に関連するハードルも少なくないと思います。私の主観ですが出場してみて感じたのは、ステージに立つとそこは本当に公平だということです。確かに目の前に居る人達はライバルなのですが、同時に同志でもあります。控室からステージ裏、本番ステージという空間を共有する中で、同志に対するリスペクトが生まれます。同志と共同で作り上げるステージでの空間はなんとも言えない素晴らしいものだと思いました。もちろん自分の理想とする体でそれができたら最高ですが、成長過程でのベストの身体もまた尊いと思います。子育てが少し落ち着いた方や、人生を謳歌して特に不満もないが、一人で美味しいものを食べたり旅行すること等に少し飽きて持て余している方などなど、そんな同世代の方がもっと参戦したら、きっと楽しくなるだろうなと思います。私も40歳過ぎてウエイトトレーニング始めました。トレーニングは何歳からでも始められると思います。そして同世代の方々と一緒に大会を盛り上げていけたら嬉しいですね」