クリスマスに食べるものと言えばケーキと「チキン」ですが、外国ではちょっと意外な「魚」が定番となっているところがあります。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
クリスマスに何食べる?
クリスマスの夜に食べるもの、と言ったら何を想像しますか? きっと多くの方が「クリスマスケーキ」そして「チキン」を思い浮かべるのではないかと思います。
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日本ではクリスマスの食材と言えば鶏肉。有名フライドチキンショップの前にできる行列も今や風物詩の一つです。本当はクリスマスにはチキンではなく「ターキー(七面鳥)」を食べるものなのですが、日本で七面鳥がポピュラーではないため、チキンを食べるのが一般的になったといわれています。
しかしクリスマスの本場である欧州では、チキンでもターキーでもなく、なんと「魚」がクリスマス料理の主役になっている地域があります。
クリスマスには「鯉」を食べる!?
クリスマスに魚を食べることで有名なのが、ドイツやチェコなどのヨーロッパ北東部。これらの国でクリスマスに食べられているのは、意外なことに「鯉」です。
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特に有名なのが東欧に位置するチェコとポーランド。チェコではポテトサラダと一緒に食べる「鯉のフライ ポテトサラダ添え」が定番料理として愛されています。またポーランドでは「鯉のフリット」が一般的なほか、「鯉のゼリー寄せ」という日本人からするとどんなものか想像しにくい料理も人気なのだそうです。
なぜ鯉を食べるの?
クリスマスに鯉を食べるという文化は、実はそれほど歴史の古いものではないようです。
チェコでは19世紀、相次ぐ戦争により慢性的な物資不足や輸送力の不足が起こっていました。そんななか、何でも食べてすぐに大きくなるうえ、身近な環境で養殖できるタンパク質である「鯉」に注目が集まりました。その結果、なかなか手に入りづらくなっていた肉に代わり、鯉を食べるようになったのだそうです。
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ただし鯉を食べること自体は長い歴史があり、ドイツでは1200年以上も前から食用鯉の養殖がおこなわれています。クリスマスのごちそうにもふさわしい美味しい魚であると考えられてきたのでしょう。
なおポーランドではクリスマスになると生きた鯉が売られ、それを各家庭でお風呂に放して泥抜きを行う光景が一般的だそうです。そもそも鯉は縁起の良い生き物とされ、泥抜きを行ったうえで食べずに逃がす家庭もあるとのこと。ただし逃がす前に「金運が上がるお守り」になるという鱗を2、3枚もらっておくのがお約束とのことです。
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<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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