親の過干渉が優秀な子をダメにする
これは何度も実際に見てきたのだが、正直な話親の過干渉が優秀なはずの子をダメにすると思っている。
ある東大・東大院出身者が「親から受けた教育やしつけで最もよかったことはなんですか?」という質問に対して次のように答えていた。「余計な干渉をせず、放置してくれたこと」と。そして「勉強しろ、は一度も言われなかった。勉強しろと言われないとできないようなら、勉強に向いていない」と回答していたのがすごく印象的だった。これはネグレクトからの放置ではなく、尊重しての見守りであり、学習環境は与えられたと思うのだ。
実際、東大合格者インタビューなどを読んでも「親の熱心なアドバイスのおかげ」といったことは書かれているのはあまり見ない。人によって多少違いはあれど、自主的に勉強し、質の高い教育を受け、そっと応援してくれたことで合格に導かれたという趣旨の回答をしている。
親は環境と経験を与えるだけでいい前述の通り、令和はあまりにも変化の速度が早い時代だ。親が子供の進路に余計な口出しをするほど、子供は時代遅れになってしまう。それでは親が子供にできることは何もないのだろうか?否、それは環境や経験を与えるのである。
子供が特定の分野に興味を持ったら、意向を尋ねてその興味関心を伸ばしやすい教育を与えるなどである。筆者の妻の弟は昔からコンピューターやゲームに興味があったそうで、両親は積極的に欲しがるものを与えてきた。
賛否はわかれるかもしれないが、新作人気ゲームの発売日などでは、何でも屋を雇って早朝から行列に並んで入手を代行するくらいに希望するものを徹底して与え続けたそうである。そんな彼は今、東京でエンジニア職についている。
また、筆者の妻は親に頼んで海外留学をして英語に興味を持ち、大学では英語ディベートで活躍して英語力を磨いた。やはり子供が興味関心を持つものに、資金援助をするなど積極的に与えるのが本来の親の役割だろう。
これは仮に子供が高額なコンピューターを求めれば、アルバイトをして自分で買わせるよりこちらで用意してやり、一日も早くそのコンピューターでやりたいことを好きにさせる、というイメージである。
その際見極めるべきは、自分が本心からやりたいことがあって求めていることか?もしくは他人の影響を受けて一時的にほしいと思わされている状態なのか?である。他人に触発され、求めることには意味がない。手に入れた瞬間に興味を失うからだ。しかし、本心からやりたい何かがあり、それを叶えるための道具として求めているなら親は多少頑張ってでも与えるのがよいと思っている。
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親は子供を想うからこそ、つい進路に口出しをしたくなると思う。しかし、それは多くの場合においてジャマにしかならない。親が真に求められているのはアドバイスではなく、子供をそっと見守る胆力ではないだろうか。
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