ホオジロザメはシャチをどう思っているのか?

ホオジロザメが”恐怖”で1年間も縄張りから逃げ出す「海のギャング」がいると判明
(画像=Credit:catmando1962,flickr、『ナゾロジー』より 引用)

一方でシャチは偏食家で知られており、サメを積極的に捕食することはないとも言われています。

つまりシャチに襲われた経験を持つサメは少数のはずです。

ではなぜ、ホオジロザメはそんな一目散にシャチから逃げ出すのでしょう? そこには私たちが明確に発見できていないだけで、本能的にサメがシャチを避けるような恐ろしい経験が刻まれているのでしょうか?

実はまだ、この点については明確な調査結果がでてはいません。

ただ、食物連鎖の頂点にある捕食者が、同じ海域で獲物を取り合えば互いに不利になることは明白です。そのためホオジロザメはお気に入りの狩場をシャチに譲り、自分たちは別の狩場へ移動しているという可能性が強いようです。

食物連鎖におけるトップの捕食者間の相互作用については、陸上の動物についてはかなり調査が進んでいますが、海洋ではその記録がほとんどなく、完全に理解することが困難になっています。

海のギャングたちの関係性を人間が理解するには、まだしばらく時間が必要になるだろうと、今回の研究の筆頭著者モントレーベイ水族館のサルバドール・ジョーゲンセン氏は語っています。


参考文献
sciencealert


提供元・ナゾロジー

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