小型人工衛星を活用して温室効果ガスであるメタンガス等のモニタリング事業を展開するカナダ発のベンチャー企業GHGSatが、全大陸に広がる地上局ネットワークを有する大手地上局企業であるKongsberg Satellite Services (以下:KSAT)と、衛星コンステレーションの運用契約を締結しました。

GHGSatの温室効果ガスを監視する小型衛星は、現在軌道上に6機あり、そのうち5機が商用利用されています。GHGSatは、2019年の衛星初打ち上げの際から、KSATの地上局サービスを活用していました。

KSATは、ノルウェー北部のトロムソに位置する衛星運用センター(TSOC)から、GHGSatにサービスを提供する予定です。TSOCのサービスは同社の地上局ネットワークと完全に統合されており、LEOP(打ち上げから衛星の初期運用)から定常運用、運用終了まで、シームレスな衛星運用を保証します。

GHGSatの社長兼CEOであるStephane Germain氏は、今回の契約締結について以下のコメントを発表しています。

Our experience with KSAT’s ground segment systems/services has paved the way to broadening our collaboration to include satellite operations for our growing constellation. The partnership enables us to stay focused on our mission and expertise, which is to deliver valuable, actionable emissions data and intelligence to customers worldwide.
(訳:これまでのKSATの地上システムサービスを活用してきた経験によって、私たちの協力関係と拡大する衛星運用に対応する道が開いたことになります。
今回の契約により、我々は世界中のお客様に価値ある実用的な温室効果ガスの排出量データと情報を提供するというミッションと専門性に集中することが可能になりました。)

世界中で環境問題への関心が高まっていることが追い風となり、GHGSatが提供する温室効果ガスの監視サービスのニーズも拡大していくと期待されています。

提供元・宙畑

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