COP27期間中の化石賞受賞国のリストおよび受賞理由(カッコ内)は以下の通りである。

11月9日 日本(化石燃料に対する公的融資が最大。化石燃料の利用を長引かせるソリューション輸出を企図) 11月10日 エジプト(ソーシャルメディアに関する活動家の権利制限、水、食べ物、トイレの不足、ぼったくりのホテル価格) 11月11日 UAE/エジプト:ガス輸出国フォーラム(GECFのミーティングをホスト)、米国(Energy Transition Acceleratorで全球排出削減につながらない炭素市場を拡大)、ロシア(予算が化石燃料に依存) 11月12日 米国(ロスダメ資金に反対) 11月14日 ニュージーランド(ロスダメ資金の決定を2024年に延期するとの提案を支持) 11月15日 トルコ(2030年BAU比削減目標を引き上げたが、実際は30%の排出増) 11月16日 ロシア(1年を通じて悪いことばかりしている) 11月17日 イスラエル(パビリオンにおいて紛争地域の成功事例を紹介) 11月18日 米国(他の先進国(EU)が歩み寄りを示しているのにロスダメに賛成しないのでColossal Fossil 賞を授与)

受賞理由を一瞥すると、比較的クリーンとされる天然ガスも敵視していること、ロスダメに反対する国は片端から血祭に挙げていること等の傾向が見て取れる。また主催国エジプトが会場設営上の問題点やNGO活動の制約等で受賞しているのも面白い。COP26でも主催国英国が化石賞をもらっている。

毎度のことながら、世界最大の石炭消費国・石炭火力輸出国である中国は化石賞を受けていない。グラスゴー気候合意やG7サミットでは中国等を念頭にNDCの引き上げをエンカレッジしているが、中国はそれに応じていないどころか、COP27では解振華副主任が石炭火力の必要性を強調している。それでも中国は特別扱いをされているかの如くである。

知り合いのNGOの方に聞いたところ、化石賞は毎日、各国NGOが協議の上、コンセンサスで決めており、中国の名前があがったこともあるが、全員一致にはならないという。中国を批判するようなことをすると中国での活動が難しくなるとのジレンマもあるらしい。

各国NGOには中国のNGOも参加しているはずだが、そもそも全体主義国家、中国において真の意味でNGOなど存在するのか。彼らが反対に回り、最大の排出国中国はずっと化石賞の圏外におり、日本は常連受賞国でそれをメディアが大げさに取り上げる。

やはり化石賞は国際的な茶番劇でしかない。