エドマンド・バークがメディアを「第4権力」と呼んだのは1787年。フランス革命の行方を左右するのは、聖職者・貴族・平民に次ぐ「第4身分」だという意味でしたが、今やメディアは「第1権力」に昇格したようにみえます。
しかしその質は、劣化の一途です。新型コロナでパニックを起こしたのも、統一教会をめぐるわけのわからない騒動を生んだのもワイドショーでした。マスコミも「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する」という法則の例外ではないのです。
かつてマスコミがエリートだったのは、輪転機や電波というインフラを独占していたためです。インターネットはその独占を打破し、メディアを民主化すると期待されましたが、30年たってわかったのは、独占が強まる皮肉な結果でした。
ネット上を飛びかう情報量は爆発的に増えましたが、コンテンツは超競争的で利益が出なくなり、社会インフラとして情報を独占して大きな利益を上げているのは、GAFAMなどのプラットフォームです。
これに対して日本の地上波テレビ局は電波を独占し、新聞はその政治力を使って消費税の軽減税率を適用させました。こんなロビー活動を続ているうちに日本のネット産業は壊滅し、コンテンツでも韓国にも負けてしまいましいた。
2023年1月からのアゴラ経済塾「メディアというビジネスの未来」では、NHKからアゴラまで、いろんなメディアを体験した池田信夫が、マスコミやネットメディアをビジネスとして分析し、その歴史を振り返り、未来を考えます。
授業はオンラインのみで、すべてZoomでおこないます。全国の(あるいは海外の)みなさんが参加でき、あとからYouTubeで録画を見ることもできます。
講師:池田信夫(アゴラ研究所 所長)