<TOP画像:ウィーン市庁舎前クリスマスマーケットの入り口>
ウィーン最大にして、最古のクリスマスマーケットの流れを汲む、ウィーン市庁舎前広場のクリスマスマーケット。例年多くの観光客でにぎわい、大きな注目を浴びるマーケットではありますが、今年はコンセプトを大きく変え、更に素敵になって戻ってきました。
今回は、新しくなったウィーン市庁舎前クリスマスマーケットの昼と夜を歩きつつ、変わった点、気になった点を紹介していきます。
目次
新コンセプトは『エコ』と『ファミリー』
市庁舎前クリスマスマーケットを歩く
新コンセプトは『エコ』と『ファミリー』
今年は17か所でクリスマスマーケットが開かれるウィーン。それぞれのクリスマスマーケットにはそれぞれ特徴があり、地元の人たちに愛されています。そんな中、ウィーンの象徴ともいえる市庁舎前クリスマスマーケットの主催を、今年からウィーン市自身が担当するようになり、内容とイメージの刷新を図っています。
新しいコンセプトの目的は、観光客だけではなく現地の人や家族連れにも魅力的なマーケットを作ること。そのために、出典する屋台にはエコやビオ、サステナブルの基準を設け、老若男女誰でも楽しめる仕掛けが増えました。
その結果、質の高い手工芸品や、現地の人が家族や友達に贈りたくなるようなプレゼント、オーストリア産の美味しい屋台グルメが楽しめるようになりました。お土産屋さんは減っていますが、どのお店もオーストリアやウィーンをモチーフにした商品はありますので、お土産選びの選択肢は逆に広がっています。

また、基準を厳しくてお店を2/3に減らした結果、通路が広くなり混雑が大幅に回避されるようになったのも嬉しいニュースです。独立した子ども用のエリアが作られ、気軽に家族連れが遊びに来られるようになったこともあり、遠のいていた地元民の足も戻ってきています。
市庁舎前クリスマスマーケットを歩く
クリスマスマーケットでまず目を引くのが、赤いリボンのアーチと巨大な2階建てメリーゴーランド。アーチのデザインが以前から変わりましたが、上には毎週日曜日に1つずつ灯るキャンドルが健在です。メリーゴーランドは夜に見ると夢のようにきらびやかで、よく見るとウィーンの名所がモチーフとなっていて、レトロな中にも地元愛を感じます。

市庁舎の前には、各州から持ち回りで贈られる巨大なクリスマスツリーが立てられていて、クリッペと呼ばれるキリスト生誕の場面を模した人形も飾られています。

屋台は100軒前後で、屋台グルメが楽しめるのはそのうち約20軒。スパイスや柑橘類を入れて温めたワイン「グリューワイン」の屋台が各所にあり、特製マグカップが飾られている他、焼き栗、ハンガリー風バウムクーヘン、ソーセージ、パンやケーキ、チョコレートの他に、メッセージの書かれた大きなクッキー、レープクーヘン屋さんなどが並んでいます。どこも「ビオ」の出店基準をクリアしているだけあり、とてもおいしそうです。

クリスマスオーナメントやプレゼント、おもちゃや台所用品等のお店もたくさんあり、思わず足を止めてしまいます。味のある木や布製の1点ものの工芸品や手作りのキャンドル立て、クリスマスツリー飾りなどが並びます。ハーブソルトやシュナップス(蒸留酒)などは国産ですので、グルメ好きのプレゼントにも好まれそうです。

ウィーン発のウェハース屋さん「マンナー」や、ティーハウス「デンメア」、そして世界初のスノードームを作ったことで有名なお店も出店していて、ウィーンならではのお土産やクリスマスにピッタリの贈り物もそろっています。