ポイント③応募者は、貴社のコミュニティの輪に溶け込めそうか?
応募者の方々は、応募先企業の社長、経営陣のプロフィールについては興味津々でチェックされるものです。学歴、経歴、部署歴や関連メッセージ。「なるほど、こんなご出身か」「こんな組織体制なのだな」、皆さん、<会社情報>として彼らの掲載情報をご覧になられています。
面接では、これらに加えて社員紹介についても見たか、応募者に聞いてみましょう。企業によっては社員紹介は新卒採用情報のほうにだけ出されているところも少なくありませんが、それも見ているかで応募者の貴社に対するすり合わせ意欲が確認できます。
いわゆるカルチャーマッチ、組織風土への馴染み具合、人物タイプのしっくり度合いは、面接者の方々は無意識的にもおおよそ察するところがあると思います。
ここでぜひ、応募者自身に、
◎生理的に当社とフィーリングが合いそうだと感じますか?
と聞いてみてほしいのです。
応募者がこれまで身を置いてきたグループや組織と当社は、同質の集団だと感じるのか。あるいは全く異なるタイプの人たちだと感じるのか。
どう思うかもポイントですが、それ以上にこの質問に対してその応募者が語る言葉、説明の仕方で、その人が貴社にカルチャーマッチする人なのか、異なるのか、かなり明らかになることでしょう。
お互い出社したら日中顔を合わせるわけですから(例えリモートだったとしても、逆に、であればなおさら)、生理的にフィットするかどうかは応募者当人の業務生産性を数十%は左右する要因となり、さらには彼、彼女がエグゼクティブであることから、その方に管轄いただく組織の活力・生産性にも多大なる影響を与えることになります。
何をやるかと同じ程度に、誰とやるかは大事。「気の合う仲間」となりうる人材か否か、しっかり感じ、ご判断ください。
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今回は貴社のコアな部分に対して応募者が感覚的、直感的にどう感じているか・貴社サイドはどう感じるかを確認いただきました。
せっかく採用した幹部が気持ちよく150%、200%の力を貴社で発揮してくれるために、こうしたセンスの部分での合致度、違和感のなさが非常に重要であることを認識いただき、その観点からもエグゼクティブ採用を進めていただければ幸いです。
<著者プロフィール>
井上和幸
株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より現・リクルートエグゼクティブエージェントに転職、マネージングディレクターに就任。2010年2月に株式会社 経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援など提供している。業界MVPを多数受賞。著書は『30代最後の転職を成功させる方法』他。「日本経済新聞」「プレジデント」「週刊ダイヤモンド」他メディア出演多数。