ゾディアックは1882年にスイスのル・ロックルでアリスト・カラムが創設した時計工房を原点に持つスイスの時計ブランド。

ブランド創設当初は懐中時計が中心だったが、1920年代には腕時計の製作をスタートさせ、30年にはスイス初の自動巻き時計、39年にはパワーリザーブ付きスポーツウオッチ“オートグラフィック”を発表。その後も、1953年にダイバーズウオッチ黎明期の名作として知られる“ゾディアック シーウルフ”、1969年にミステリーダイアルで知られる傑作“アストログラフィック”など、革新的な名作の数々を生み出したことで知られている。

紆余曲折あって一時的に機械式時計の製造を停止していたのだが、2014年に本格機械式時計の製造を復活。新生ゾディアックでは、新たにスイスのビエンヌに製造拠点を設立したほか、機械に関してもグループ内にムーヴメントメーカーであるSTP(スイス・テクノロジー・プロダクション)を保有し、確かな品質とコストパフォーマンスを両立したコレクションを展開している。

【今回の実機レビューモデル】スーパーシーウルフ53 スキンオートマチックとは

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

新生ゾデイアックの基幹コレクションのひとつとして製作されたのが、今回実機レビューで取り上げる“スーパーシーウルフ53”だ。オリジナルの“ゾディアック シーウルフ”は1953年当時にしてすでに逆回転防止ベゼルと200m防水という高いスペックを実現し、そのコストパフォーマンスの高さから大ヒットを記録。現在も熱狂的なファンを持つ名作として知られている。

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

“ゾディアック シーウルフ”を現代風に復刻した本作は、復刻にあたってはユーザーの意見を取り入れつつ、実物を参考にしながら時計を開発しており、安易なアレンジを加えることなくオリジナルのテイストを濃厚に継承。しかも加工技術の進歩によりディテールの品質を向上させることに成功している。

【製品スペック】
■品番:ZO9213(ブレス仕様)、ZO9410(ラバーベルト仕様)
■素材:ステンレススチール(サファイアクリスタル風防)
■ケース径:39mm、ラグの上下幅約46mm、厚さ約12mm、ラグ幅20mm
■防水性能:20気圧防水(200m防水に相当)
■駆動方式:自動巻き(インハウスムーヴメント/Cal.STP 1-11)
■価格:19万8000円(ブレス仕様)、18万1500円(ラバーベルト仕様)

》装着感をチェック

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

1950年代のスーパーシーウルフは約36mmであったが、スーパーシーウルフ53では現代のニーズに合わせて39mmにケースの直径をサイズアップ。ラグの上下の幅が46mm、厚さが12mmのため、20気圧防水(200m防水に相当)の本格派ダイバーズウオッチとしては比較的薄型のサイズであるのもポイント。

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

現代のダイバーズウオッチとしてはやや小振りなサイズ感がレトロな雰囲気を醸し出しつつ、装着すると程よく存在感を主張してくれる。

》1950年代の流行を再現したレトロな文字盤

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

このモデルは1950年代に米海軍の軍人の間で愛用者が多かったという、12・6・9時に三角形の夜光インデックスを配した初期仕様のスーパーシーウルフ(上の写真)をベースに採用している。当時のオリジナルモデルと復刻されたスーパーシーウルフ53 スキンオートマチック比較してみると、質感を高めつつ、外装、文字盤のデザインや雰囲気を再現していることがわかるはずだ。

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

表面を少し荒らした梨地仕様の文字盤には、特徴的な逆三角形のインデックスがレイアウトされており、当時の流行を再現したレトロなデザインがデザインに個性とインパクトを加えている。

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

また、デザイン的な魅力に加え、視認性の高さも魅力。メタルフレームにアラビア数字を配置し、そこにルミノバ夜光を塗布した仕様となっており、あらゆる環境で高度な視認性を確保している。

》ベゼル・ケースも50年代のフォルムを再現

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

復刻モデルでは、シンプルで直線的なラグや小振りで薄型のフォルムなど当時のスキンダイバーケースを継承しつつ、現代の優れた技術で品質が強化されている。ケース、ブレスレットともに均質な筋目を施したヘアライン仕上げで表面を加工しており、小傷や汚れが目立ちにくい実用性の高い仕上がりと言えるだろう。

》インハウスの自動巻きムーヴメントを搭載

【今年見た時計でいちばん好き(編集部:船平)】10万円台で買える、ゾディアックの復刻ダイバーズモデル【実機レビュー】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

ゾディアックのシーウルフ 53にも搭載されている自社製ムーヴメント、Cal.STP1-11。ゾディアックが属するフォッシルグループ傘下のムーヴメントメーカー、STP社が自社で設計、製造を行ったベースムーヴメントであり、44時間パワーリザーブ(ゼンマイを最大に巻き上げた状態からの駆動時間)、精度も1日にプラス0秒からプラス15秒の精度に調整を実現。これは、ETA社のCal.2824-2がマイナス15秒からプラス15秒であることと比較しても、汎用ムーヴメントとして実用性をしっかりと確保したスペックといえるだろう。

【問い合わせ先】
フォッシルジャパン(ゾディアック)
TEL.03-5992-4611

ゾディアック販売サイト(タイムギアオンラインショップ)

【タイムギアチャンネル:実機レビュー動画】

文◎船平卓馬(編集部)

提供元・Watch LIFE NEWS

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