アメリカの場合、働きたくない人に高賃金というアメを配り、カウチから職場に向かわせたのです。しかし、3年近く寝そべってちょっとオンライン業務をやって、あとはミーム株をいじり、オンラインゲームにネットフリックス三昧していた人たちが「働きたくねぇ」というマインドの中、無理やり社会に再投入されるのです。企業は働きに期待するけれど彼らはそんなに働かない、つまり経営効率が下がり、コストばかりが上昇するという悪循環に入ったのが主因ではないかとみています。

来年は景気後退になると言われています。私もその公算は高いと思います。この場合、何をもって景気後退とするかですが、企業倒産件数、個人破産件数、住宅ローンの不良化率や競売件数の増大に着目しています。

昨日、ランチミーティングである日本食レストランに行きました。幕の内が3500円です。他のアイテムも3000円以上のものばかり。経済同友会の代表幹事に就任予定の新浪剛史氏がアメリカでラーメンが3000円で売れる経済力を持ち上げているのですが、北米にいる私からすればそれは違うのです。ラーメンが3000円は明らかにバブル価格であってそのうちに2000円でも売れず、ラーメン屋の淘汰が始まる予兆とみるべきなのです。価格には妥当性というものがあり、高ければ何でもよいわけではないわけです。そこを多くの人が見落としているのです。

物価は今後、もう少し下がってくるでしょう。ただ、コロナ前の水準にはならないはずです。一度上げた人件費はクビにしない限り、下げられないのです。とすれば倒産が増え、失業者が増えるデータ出てくるであろう来年夏以降に金利を急速に上げ過ぎたという反省が出てくるのがシナリオではないかと予想しています。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年12月14日の記事より転載させていただきました。