2022年もあと数週間で終わりですね。
年末に恒例の天文イベントというと、ふたご座流星群です。
活発な出現が見られるふたご座流星群は、夏のペルセウス座流星群の次に注目度が高い流星群です。
ということで、今年のふたご座流星群を観測するためのおすすめの時間や注目ポイントを紹介します!
2022年のふたご座流星群の観測条件
極大時間と月明かりの影響は?
2022年のふたご座流星群は、12月14日の22時頃に極大となると予想されています。
放射点も見やすい高さに上がってきており、多くの人が観測しやすい良い時間です。
気になる月明かりですが、この日は下弦の半月の2日前の月。月の出の時刻は21時48分で、ふたご座流星群の極大予想とほぼ同じ時刻です。
ということで、月の出の少し前から、月が高く昇って明るくなる前の21時〜23時頃を狙うのがおすすめです。
冬は寒くて長時間の観測は厳しいので、なるべく効率よく観測したいものですよね。
なお、暗闇に目がなれるまでは20分ほどかかり、最初は星が見にくいです。ベランダで観測する際は部屋の電気を消して暗くしておき、目を暗闇にならした状態でベランダに出るといいですよ。
ふたご座雑学:1等星があるのにα星が2等星なのはなぜ
α星とは何か?
通常、その星座を形作る星でもっとも明るい星のことを「α星(アルファせい)」といいますが、命名した人の意図などで違う星座もあります。そして、ふたご座もそんな例外的な星座のひとつなんです。
都会でも、ふたご座を見つけるのは難しくありません。冬の夜空で一番目立つオリオン座を見つけたら、オリオンの左足にある青白い1等星、リゲルからシリウス、プロキオン、ポルックス、カペラ、アルデバランと明るい星をつないでいくと6角形が完成します。
これが「冬のダイヤモンド」と言われるものです。

冬のダイヤモンドを構成する星をひとつずつ見ていくと、ふたご座のところに2つ並んだ星が目につきます。ふたご座のメインの星で、神話の主役である双子の兄弟、カストルとポルックスの名前がそれぞれ付けられています。
肉眼だと明らかに2つの星の明るさが違うのはわかるのですが、カストルは2等星で、ポルックスは1等星です。
「冬のダイヤモンド」を構成するのは明るいポルックスなのですが、主役ともいうべきα星は2等星のカストルなんです。
ふたご座の神話から考える
ふたご座の神話において、カストルが兄でポルックスが弟で、2人は血縁上の父親が違います。乗馬の名手カストルは人間の父親の血をひいており、ボクシングの名手ポルックスは大神ゼウスの血をひいていて不死身です(神話あるあるの、ゼウスの不倫ですね)。
二人は仲が良かったので、戦争でカストルが瀕死になった際、ポルックスがゼウスに頼んで自分の命をカストルに分けて2人で天に上がったという話になっています。
ポルックスは半神で不死身だから明るい星、でもお兄さんはカストルなのでα星の座はカストル、と神話から考えるとスムーズに覚えられますよ。