一旦コロナのことは置いておいて、このグラフを描いてみて興味深いと感じたのは、主な死因での平均年齢は、12年間、順位の入れ代りが一度たりとも発生していないことです。あくまで平均的な話ですが、人の死とは上に書いたような流れなのだと解釈しました。

コロナの話に戻しますと、2022年コロナ死者は呼吸器系疾患死者とほとんど同じ年齢となっています。癌や循環器系疾患で亡くならずに済んだ方が呼吸器系疾患またはコロナで亡くなっているのでは無いでしょうか。

どちらにせよ、長生きなさった方が寿命を全うされて、コロナ死とされているのだと思います。こう書くと「若者だってコロナで亡くなっている!」と批難されていますが、それは他の死因でも同じです。どんな疾患であっても、割合いは低いですが、若い方が亡くなることがあります。

ヒトの死と医療逼迫 コロナで死者が増えたといっても、他の疾患での死者の方が多い コロナで重症化する人が増えても、他の疾患での重症者の方が多いと推測される 逼迫するのは医療体制の問題 二度と感染症対策と称して社会活動を制限することが無いことを望む

以上、ヒトの死というものを多角的に見てきました。ヒトはこれまでも様々な要因で亡くなってきました。コロナで亡くなるということが増えたとしても他疾患での死者の方が多くなっています。つまり死に至る前の重症者が増えたとしても、コロナの重症者がインフルエンザや肺炎などの呼吸器系疾患での重症者と比べても大きな逼迫の要因とはなり得ません。ましてや循環器系疾患や癌の死者も含めると、より一層、逼迫の原因にはなりません。

医療が逼迫するとすれば、それは医療体制の問題であり、社会活動を制限して解決してよい問題ではありません。無理にしようとすると、若者の生活基盤や学習環境が破壊され自殺など他の要因で亡くなります。

もう二度と感染症対策と称して社会活動を制限することが無いことを望みます。

(参考)インフルエンザ死者の平均年齢も高かったが、月によっては低いことも インフル死者(2019) 82.84歳 全死因死者(2019) 81.90歳

インフルエンザの死者の平均年齢も見てみましょう。横軸は2009年1月から月ごとに2022年12月末までを示し、縦軸は月ごとの死因別の平均年齢を示しています。

2020年以降はほとんど流行っていないので、年間推計は2015〜2019年の期間としました。グラフは日本人の主な死因及びインフルエンザ死者の平均年齢を推計したものです。横軸は2009年1月から月ごとに2022年12月末までを示し、縦軸は月ごとの死因別の平均年齢を示しています。

2019年の死者の場合だと、

インフル死者 82.84歳 全死因死者 81.90歳

となっており、インフル死者の平均年齢の方が高くなっています。

しかし2016年は逆に

インフル死者 79.29歳 全死因死者 80.96歳

となっており、インフル死者の平均年齢の方が低くなっています。

コロナ死者の統計とは異り、月ごとでみてもインフル死者平均年齢が極端に下がっている月が散見されます。これはその月に死者が少なかったので統計上のブレが大きいのでは無いかと思いますが、それでも若い方の死者が多かった月もあったのだと推測できます。