その原因は本書を読んでいただくとして、どう考えても、昭和からつづく風習です。ですが、日本ではなぜか報道されず(報道機関自身がその風習の恩恵にどっぷりつかってきたこともあるでしょう)、たいへん不思議な状況となっています。

いまだになぜ大学を出てコストセンターにみんなが勤めたがるのかよくわかりませんでしたが、社会の構造がそうなっているんですね。

そして、「日本人がハッピーになるにはどうすればよいか?」の問いに対する答えは自明なのですが、なぜか合理的な判断がなされません。

ただ、仮に日本の働く人たちが、イギリスやアメリカのように、昇給を毅然とした態度で主張するようになると、回転ずしが一皿400円とか500円になる可能性もあるわけです。また、機械化によって逆にオペレーションが複雑になっているところに、日本の消費社会の不可解さを見てしまいます。

これは教育や税制、金融政策などをいじったくらいではどうにもなりません。その現実から目を背け、あまり関係のない部分の改革をして、矛盾を現場に丸投げしつづけてきたのが、昭和末期~平成の日本だったのではないでしょうか。その間に、世界はよくも悪くも激変してしまいました。

イギリスから見た日本をみなさんもぜひ確かめてみてください。

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