11月30日、衛星データを利用した森林火災や山火事の検出サービスを展開するOroraTechが、シリーズAラウンドで1500万ユーロ(約21億円)を調達したと発表しました。

OroraTechは2018年に創業した、ドイツに拠点を置くスタートアップ企業です。

リリースによれば山火事は世界の総炭素排出量の17〜 20%を排出していて、推定100億ドルの保険損害を引き起こしています。OroraTechがリリースした「Wildfire Intelligence Solution」は、毎日10万件以上の火災を検知し、6大陸で1億6000万ヘクタール以上の森林の保護に役立てられています。

同社は熱赤外線センサを搭載した独自の衛星のコンステレーション構築にも取り組んでいます。2022年1月には、森林火災や山火事の検知に特化した衛星「FOREST-1」を打ち上げ、ミッションを成功させたことを9月に発表させていました。

宙畑メモ 熱赤外線センサ

熱赤外線の観測によって、地表の温度を推定できるため、森林火災や火山活動、経済活動のモニタリングなどに役立てられています。

参考:リモートセンシングと放射伝達

また、森林火災や山火事の検出や被害状況の把握には、高頻度の観測が必要です。OroraTechは、任意の地域を2024年までに12時間以内、2026年までに30分以内に再訪して観測することを目指しています。

森林火事の検出サービスを提供するOroraTechが約21億円を調達。23年5月に観測衛星2号機を打ち上げ予定【宇宙ビジネスニュース】
(画像=熱赤外センサでとらえたロサンゼルス Credit : OroraTech、『宙畑』より 引用)

今回調達した資金についてOroraTechのCEOであるトーマス・グリューブラー氏は、

「今回の資金調達により、2機目のカメラ(熱赤外線センサ)を打ち上げ、様々なユースケースに向けた拡大戦略を加速させることができます」

とコメントしています。OroraTechの2機目の衛星は、2023年5月に打ち上げられる計画です。

提供元・宙畑

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