PERÚ, CASTILLO, DESTITUIDO.08-12-2022.

カスティージョ大統領の政権は倒壊する運命にあった

ペルーのカスティージョ大統領が遂に罷免された。昨年7月に大統領に就任したが、罷免されるのは時間の問題だとされていた。任期満了の2026年まで彼が政権を維持することは不可能だとされていた。

カスティージョ氏は政治の経験はなく、過疎地域の教師であった。が、教師の待遇改善と昇給を要求して彼は教員組合の代表として交渉に当たっていた。彼のその活動に注目したのがフニン州で州知事を経験したことのあるマルクス・エンゲルス主義者のセロン氏であった。セロン氏は当時汚職の前科があるとして法的に大統領に立候補することが禁止されていた。そこで彼の代行として選出した人物が教育組合で活躍していたカスティージョ氏であった。

最初の政府はテロ組織に関係した閣僚が半分いた

カスティージョ氏が大統領になると、セロン氏は彼を背後からコントロールしようとした。その具体例として、最初の首相べリード氏はテロ組織を擁護したことのある人物であった。

この時点からペルーが社会主義に転じるのではないかという懸念がエスタブリシュメントを始め経済界や市民の間で生じていた。ペルーはそれまで30年余り右派の支配による市場経済が優先された国であった。

この不安を払拭させるために穏健派で大学の教授であったフランケ氏を財務経済相に任命した。しかし、フランケ氏も長くはその任を続けることはできなかった。

更に、外相にはキューバのフィデル・カストロ氏を崇拝する弁護士のバヘル氏を選んだ。

結局、最初の閣僚陣の半分はペルーのテロ組織トゥパク・アマルに繋がる人選だという批判が生まれていた。このトゥパク・アマルというのはフジモリ氏が大統領だった時に日本大使館を占拠した組織である。