世界的にも人気の高いアクションスパイ映画“007”シリーズ。その誕生40周年を記念して“007 ダイ・アナザー・デイ”の公開とともに2002年夏にオメガから初めてリリースされたのがシーマスター・プロダイバーズをベースにしたジェームズ・ボンド限定モデル(下方に掲載の写真リンク参照)である。それから4年、“007 カジノ・ロワイヤル”の公開にちなんでリリースされたのが今回取り上げたボンドウオッチの第2弾である。
最初のモデルは、文字盤の6時位置に加えて全体にも地紋のように“007”のロゴを配したかなり映画を意識したデザインであったのに対して、この2作目はロゴを秒針のカウンターバランスに配置しただけと控えめなものの、文字盤にはあの象徴的なオープニングが表現された。
これは、ジェームズ・ボンドがゆっくりと歩いてきていきなり正面を振り向きざまに拳銃を取り出して撃つ。つまりタイトル・デザイナーのモーリス・ビンダーがデザインしたあの有名なオープニングのガンバレル(Gunbarrel = 銃身)・シークエンスをモチーフに、文字盤デザインとして表現したもの。限定モデルならではの心憎い演出がさりげなく施されているのだ。
また、自動巻きムーヴメントにはコーアクシャル脱進機を装備したCal.2500が搭載され、第1弾に比べると性能面ではだいぶ向上している点もポイント。生産数は10007本と限定とはいえそこそこの数量のためいまでも見つけやすい。ただ、現在の中古の実勢価格は60万円台と、だいぶ上がってしまった。
オメガ
シーマスター プロダイバーズ300m
ジェームズ・ボンド限定モデル
■商品データ
Ref.2226.80.00
生産年:2006年
素材:ステンレススチール
ケース径:41mm
防水性:300m防水(新品時)
駆動方式:自動巻き(Cal.2500)
限定本数:10007本
当時の税抜き参考定価:38万円
菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!
提供元・Watch LIFE NEWS
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