「エンゲージメント」という言葉をよく耳にするようになりました。顧客エンゲージメント、従業員エンゲージメントなどがあり、今の時代、大事であることはわかるものの、いまいちその意味があいまいになっていませんか? あいまいなままでは当然、実務に活用できませんし、成果を出すこともできません。そこで今回は、マーケティングにおけるエンゲージメントの意味や、マーケティング手法、事例などを通じてエンゲージメントについて解説します。

目次
エンゲージメントとは
エンゲージメントマーケティングが必要な理由

エンゲージメントとは

エンゲージメントとは! マーケティングにおける意味合いを徹底解説!
(画像=『MarkeTRUNK』より引用)

エンゲージメントとは、辞書的な意味では、「約束・契約」「婚約」などを意味しますが、現代ではマーケティングの分野でもエンゲージメントという言葉が使われています。

マーケティングにおけるエンゲージメントとは、顧客を惹き付けて、企業と顧客のつながりや結び付きが強まった状態のことを指します。

エンゲージメントマーケティングにおいては、顧客は企業自体や、商品やブランドなどに対する顧客の深い結び付きを強めます。高い好感を感じているので、顧客は積極的に企業やブランドにかかわり、友人・知人や家族、SNSを通じた口コミなどの行動が伴うなど、強い絆で結びついている状態のことを指します。

エンゲージメントマーケティングは、具体的にいえば、Webサイトやメール、SNS、アプリなどのさまざまな手段を通じて、企業やブランドと、顧客との間につながりを作ることを指しています。

エンゲージメントの概念が生まれたのは、アメリカといわれていますが、一般的に拡がったのは、Facebookの普及によるところが大きいといわれています。誰もがFacebookの「いいね!」という好感度を示す証をご存知のことでしょう。その「いいね!」は、可視化されたエンゲージメントの一つといえます。例えば、企業のFacebookアカウントに「いいね!」をしたことがある人は、エンゲージメントを抱いた状態のイメージが付きやすいのではないでしょうか。

エンゲージメントマーケティングが必要な理由

エンゲージメントとは! マーケティングにおける意味合いを徹底解説!
(画像=『MarkeTRUNK』より引用)

エンゲージメントは、昨今の競争に打ち勝っていくためには、マーケティングに欠かせないものとなっています。なぜ顧客のエンゲージメントを獲得するマーケティングが必要になってきているのでしょうか。主な理由をご紹介します。

顧客の購買行動の多様化

インターネットやスマートフォンが普及したことを受け、顧客の購買行動が多様化しました。例えば、何かを購入する際には、まず自分で検索エンジンやSNSなどを開いて情報収集をしたうえで、購入する商品をリサーチして比較するようになりました。従来の購買プロセスといえば、企業側から顧客への一方通行でした。例えば、広告やテレビCMなどでの情報発信が主流で、顧客は何の選択肢もないままに商品やサービスを購入していたところがありました。
しかし、そうした時代は終焉しました。さらに、Eコマースの発展により、リアル店舗だけでなく、オンライン上での買い物という選択肢もあり、実に購買行動が多様化しています。
もはや、広告やテレビCMだけなど、従来型のマーケティングでは顧客に響かなくなっているのです。さらに、企業や商品・サービスは顧客からの比較対象となっているため、顧客と企業との関係も変わってきています。顧客からのエンゲージメントを獲得することは、現在の市場において非常に重要になっています。

顧客との長期的な関係性強化が必要に

今の時代、顧客が一度自社商品を選んでくれたとしても、すぐに目移りして、今度は他社製品を購入するということも決して少なくありません。つまり、「売れれば良い」という時代も終わったのです。いかに、継続的に顧客と関係を築けるか、そしてより、関係を深めていくことで、強固な絆をつくりだす必要が出てきているのです。
そのためには、顧客が欲しい情報を欲しいタイミングで提供するなど、購買意思決定までのスムーズな導線を用意することが求められています。

顧客生涯価値(LTV)向上の重要性

近年、「顧客生涯価値(LTV:Lifetime Value)」という言葉もよく耳にするようになりました。これはエンゲージメントに関係しています。顧客生涯価値とは、顧客が自社と取引を開始してから終わるまでの間に、顧客が企業にもたらす価値の総計のことをいいます。顧客を獲得維持するためのコストと、顧客の購買額との差額が価値となります。

もし顧客を獲得維持するためのコストよりも顧客の購買額のほうが大きければ、顧客生涯価値が高い状態ということができます。つまり、顧客との良好な関係が築かれているかどうかを測る指標が顧客生涯価値というわけです。顧客生涯価値をいかに向上させるかが、重要となります。

では、顧客生涯価値を向上させるにはどうすればいいでしょうか。単純に考えて、リピート購入や他の商品を買ってもらうことなどが挙げられます。そのためには、企業やブランドを熱烈に支持してもらう必要があり、顧客エンゲージメントを高める意識が重要になっています。