H.265で200チャンネル放送できる

サイバーエージェント(アベマの親会社)にとって、地上波をもつメリットは大きい。ワールドカップのような大イベントなら、AWSやAkamaiのサーバを借りても採算がとれるが、1年中そうは行かない。一方的に流すマルチキャストには、電波が向いている。

受像機は今のテレビで映るが、4KやNetflixなどの使っているH.265という圧縮方式を使えば、1MHzでHDTV1チャンネルとれるので、あいている200MHzで200チャンネルとれる。H.265に対応したテレビも増えているので、高価な衛星を使っている業者も、丸ごと地上波に引っ越せる。

チャンネルの割り当ては、オークションでやればいい。用途を問わない帯域免許なら、難航している楽天の帯域もここで確保できる。価格は1MHzが100億円というのが相場である。たった100億円で、1年中スポーツ中継できるチャンネルが買えるなら、サイバーエージェントにとっても楽天にとっても安いものだろう。

最大の問題は、地上波局(特に民放連)が新規参入を許さないことだ。これは岸田政権ではどうにもならないので、菅義偉氏が再登板しないと無理だろう。逆にいうと、この改革は技術的には100%可能で、必要なのは政治決断だけである。