徳島県美馬市(みまし)の「うだつの街並み」。この街並みは脇町(わきまち)の城下町として成立し、江戸中期から明治、昭和初期にかけて建てられた伝統的建造物が並んでいます。

国指定重要伝統物保存地区に指定されており、江戸時代の繁栄が凝縮したような豪華な景観が約400mにわたって連なります。

目次
「うだつ」とは??
脇町は「阿波藍」の集散地!
藍染め体験をしてきました!

「うだつ」とは??

この街並みの最大の特徴は住宅の屋根にある「うだつ」。「うだつ」とは、防火用に隣家との間に設けられた袖壁のこと。

江戸時代は大風の影響で火災が広範囲にわたってしまうことが多く、土と瓦で作った袖壁が延焼を防ぐ働きをしました。 当初は防火の目的で作られていましたが、設置に多額の費用を要したことから装飾の意味合いが強くなっていき、次第に富や成功の象徴となっていきました。

阿波藍の集散地!徳島県美馬市「うだつの街並み」で藍染めを体験してきました!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

「うだつが上がらない」ということわざの語源もこの「うだつ」からきています。

うだつを上げる(設置する)ためにはかなりの費用が必要で、裕福な家しかできなかったことから、「出世ができないこと、身分がぱっとしないこと」を表す言葉になったのです。

脇町は「阿波藍」の集散地!

脇町は江戸中期より藍(あい)の集散地として栄えた街です。

美馬市を流れる吉野川は、日本三大暴れ川の一つといわれ、江戸時代には洪水を度々繰り返していました。 洪水が多い吉野川周辺地域は稲作が難しく、そこで台風が襲来する前に収穫できる「藍」の生産がさかんに行われるようになったのです。

「阿波藍(あわあい)」は2019年に「藍のふるさと 阿波~日本中を染め上げた至高の青を訪ねて~」と題するテーマで日本遺産に認定されています! 藍色は日本の伝統色として、2020年の東京オリンピックのエンブレムにも使われました。