本田技研工業株式会社は、安全運転システムHonda SENSING 360とHonda SENSING Eliteの新技術を公開した。2030年に全世界でHondaの二輪・四輪車が関与する交通事故死者半減を目標としており、安全運転支援技術の進化と普及を進めている。Honda SENSING 360は、ドライバー異常や周辺環境を検知し事故のリスクを減らすことで、ドライバーへの運転負荷をさらに軽減する新機能を追加。Honda SENSING Eliteは、Honda独自のAI技術を活用した認知・理解技術により、従来の高速道路に加え、一般道路も含めた自宅から目的地までシームレスな移動を支援する技術を新開発した。Honda SENSING 360は2024年より順次適応開始予定、Honda SENSING Eliteは、2020年代半ばから順次適用開始している。
Honda SENSING 360とHonda SENSING Eliteの次世代技術を発表
~安全運転支援技術の進化と普及を進める~
【安全運転支援システムの新技術公開】
● Honda SENSING 360
Honda SENSING 360に次世代技術として、ドライバー異常や周辺環境を検知し事故のリスクを減らすことで、ドライバー運転負荷をさらに軽減する新機能を追加。
これらの新機能を2024年よりグローバルで順次適用開始
● Honda SENSING Elite
Honda SENSING Eliteの次世代技術として、Honda独自のAI技術を活用した認知・理解
技術により、従来の高速道路に加え一般道路も含めた自宅から目的地までシームレスな移動を支援する技術を新開発。
これらの技術を2020年代半ばから順次適用開始
【2030年に向けた安全運転支援システムの適用目標】
2030年に全世界でHondaの二輪・四輪車が関与する交通事故死者半減を目指すため
- 2030年までに二輪検知機能付Honda SENSINGの全世界の四輪全機種への適用を目指す
- 2030年までに先進国でHonda SENSING 360の四輪全機種への適用を目指す
Hondaは、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360(ホンダ センシング サンロクマル)」と、Honda SENSINGのフラッグシップである「Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)」の次世代技術を公開しました。
Hondaは、道を使う誰もが事故に遭わない社会の実現を目指し「Safety for Everyone」のスローガンのもと、ハード・ソフトの両面で安全技術の研究開発に取り組んでいます。現在量産車で展開をしている安全運転支援システムHonda SENSINGは、日米で99%、グローバルで86%の新車に搭載され、累計販売台数は1,400万台※1に上ります。
また、2021年には、自動運転レベル3に適合するトラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)を搭載したHonda SENSING Eliteを発売。さらに、この技術の研究開発で培われた知見を生かし、2022年には車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷軽減をサポートする全方位安全運転支援システムHonda SENSING 360を、中国から展開を開始するなど、機能を進化させ続けてきました。
今回発表した技術は、Honda SENSING 360の次世代技術として、ドライバー異常や周辺環境を検知し事故を未然に防ぐことで、ドライバー運転負荷をさらに軽減する新機能を提供するもので、2024年以降、従来のHonda SENSING 360に追加され、順次グローバルでの適用を始めます。また、Honda SENSING Eliteの次世代技術として、Honda独自のAI技術を活用した認知・理解技術により、従来の高速道路に加え一般道路も含めた自宅から目的地までシームレスな移動を支援する機能を新開発しました。
今後については、2030年までに全世界において二輪検知機能付Honda SENSINGの四輪車全機種への適用を目指します。また、先進国にてHonda SENSING 360を2030年までに四輪車全機種へ適用し、さらに機能の進化を続けることで、2030年に全世界で、Hondaの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者半減を目指します。
Honda は 2050 年に全世界で Honda の二輪車、四輪車が関与する交通事故の死者をゼロにすることを目指しています。これからも、二輪車と四輪車を手掛ける Honda ならではの強みを安全技術の研究開発に生かし、“事故に遭わない社会”の実現をリードするため、真摯に取り組んでいきます。
※1 2022年9月現在 Honda調べ
Honda SENSING 360 次世代技術
Honda SENSING 360に搭載する事故回避支援技術に加えて、ドライバーの異常や周辺環境を的確に検知し事故のリスクを減らすことで、ドライバーの運転負荷をさらに軽減する下記の技術を追加します。これにより、健康起因やヒューマンエラーで発生する事故を削減し、お客様が「積極的に出かけたい」、「もっと遠くまで行きたい」と思えるクルマの提供を目指します。
これらの新技術は、2024年以降、各地域のニーズに合わせ、従来のHonda SENSING 360に順次追加されます。
ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能※2
システムがアクセル・ブレーキ・ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を放しても、車速や車線内の走行を維持できるよう支援、ドライバーの運転負荷を軽減します。
先行車がいない場合、設定された車速を保ちながら車線中央に沿うように走行、カーブでは曲率を前もって読み取り、曲率に応じた減速でスムーズなコーナリングを支援。先行車がいる場合は適切な車間距離を保ちながら追従を支援します。
ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能※2
ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能で走行中、高度車線変更支援スイッチを ON にすると一定の条件下でシステムが状況を判断し、自ら車線変更や追い越しなどの操作を支援します。
システムは、車速の遅い先行車を検知すると、ドライバーに告知したうえで、追い越しや車線復帰を支援します。
ドライバー異常時対応システム
システムからの操作要求に対してドライバーの反応が無い場合、同一車線で減速・停車を支援する機能。ドライバーがシステムからの操作要求に応じなかった場合、警告音を強め、ドライバーに操作要求に応じるよう、さらに促します。それでも、ドライバーが操作要求に応じなかった場合は、ドライバーや同乗者、他の道路ユーザーを車両衝突による危険から遠ざけるために、ハザードランプとホーンで周辺車両への注意喚起を行いながら、減速・停車を支援します。
降車時車両接近警報
駐停車中、後側方に接近する車両を検知すると、フロントピラーもしくはサイドミラー上のインジケーターを点灯させ、認知を支援します。乗員が降車のために開けたドアが、自車側方を通過する車両と衝突するおそれがあるときは、インジケーターを点滅させると同時に警報音で注意を喚起し、ドアを開けることを留まるよう促します。
ドライバーの状態と前方リスクを検知 回避支援を行う技術
①注意喚起、衝突注意警報
ドライバーの状態を検知し、注意力低下時や漫然運転時に歩行者、自転車、停車中のクルマや前走車などに衝突の可能性がある場合、減速し、未然に注意喚起するとともに、車線をはみ出さないようにステアリング操作支援を行います
②車線内回避支援技術
歩行者、自転車、停車中のクルマなどに衝突する恐れがあり、同じ車線内に十分な回避スペースがあるとシステムが判断した場合、車線内で減速し続けながら衝突回避を支援します。
③緊急回避操舵支援技術
歩行者、自転車、停車中のクルマなどに衝突する恐れがある状況で、ドライバーによるステアリング操作があった場合、減速し続けながらステアリング操作を支援します。
Honda SENSING Elite 次世代技術
Hondaは、先進安全技術を搭載したHonda SENSING のフラッグシップであるHonda SENSING Eliteをさらに進化させます。人のように経験しながら成長するHonda独自のAI技術により、複雑なシーンの認識や一般道路のような複雑な環境への対応を可能とすることで、自宅から目的地まで、一般道路も含めた安全・安心でシームレスな移動を支援する技術の開発に取り組んでいます。具体的には、幹線道路での渋滞時のハンズオフ機能など一般道路での運転支援、高速道路のジャンクションなどでの合流・分岐シーンのハンズオフ機能対応、自宅での入庫・出庫時の自動駐車支援、といった技術の開発を進めています。これらの技術を2020年代半ばから順次適用を開始します。
一般道路運転支援
複雑な道路環境にも対応可能な高度な認識・制御技術を活用し、一般道路での運転支援を実現。具体的には、リスク予測により事故を未然に回避する技術や、一般道路での運転負荷軽減を狙ったアダプティブ・クルーズ・コントロール、車線維持支援システムおよび、幹線道路渋滞時におけるハンズオフ機能の導入を図っていきます。
自動駐車支援
戸建て、集合住宅などの自宅駐車場における自動出庫・入庫を実現。
将来的には、外出先での呼び出し・乗り捨てが可能なオートバレーパーキングの実現を目指します。
高速道路全域運転支援
従来の車線維持機能、車線変更機能、トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)に加え、合流・分岐シーンでの支援機能を追加。また高速道路本線全域での自動運転レベル3実現に向け、2020年代後半の技術確立を目指します。
リリース提供元:本田技研工業株式会社