11月23日の日本時間22時から行われたワールドカップグループリーグE組の日本対ドイツは、大方予想を覆して日本が2-1で優勝候補のドイツに逆転勝ちし大金星をもぎ取った。とくに盛り上がりがイマヒトツだった今回のカタールW杯だったが、これで一気に注目の大会になった。こういう「意外な展開」はすぐに株価に反映される。
さてどんな株がぶち上がったかというと、何はさておいても全64試合をインターネットTV「ABEMA」で無料中継するサイバーエージェント(CyberAgent)だ。11月22日の終値1210円に対して、11月24日の終値は1294円と6.9%高。さらに11月25日も引き続き買いが入って1344円(終値)で11月22日終値との比較で+11%だった。
放映権料の高騰で、日本代表の試合も、今大会のアジア予選ですらTV視聴者が無料で見られたのはホーム戦のみだった。日本の相手国で行われたアウェーの試合は「DAZN(ダゾーン)」で有料配信されていた。今回のW杯カタール大会の全64試合も放映権料は数百億円と言われており、視聴者としてはABEMAの全試合無料配信は本当に有難いものであり、莫大な投資になるがABEMAの知名度アップとしては最大のチャンスだ。
ABEMA・NHK・テレビ朝日・フジテレビが獲得した今回のW杯放映権料は180億円〜350億円という推定がなされている。350億円はFRIDAYによるものだ。もちろん視聴者の大半は日本代表に関心があるわけで、ABEMAがいくら払ったかわからないが、上位2チームしか決勝トーナメントに進出できいない中でドイツ、スペイン、コスタリカ、日本という予選リーグE組は優勝候補のドイツ、スペインが圧倒的存在で日本、コスタリカが勝ち上がる見込みはほとんどないというのが戦前の予想だった。ところが、そうした予想に反して、日本がドイツに逆転勝ち。これで日本のグループリーグ突破の可能性がかなり出てきたのだ。ABEMAを運営するサイバーエージェントの株が上がらないわけはない。「こんな程度の株の上がり方では済まない」という声もあるのだ。サーバーエージェントは、10月26日に発表した2022年9月決算(2021年10月1日〜2022年9月30日)において:
・売上高:7105億7500万円(前年比+6.6%) ・営業利益:691億1400万円(同−33.8%) ・経常利益:694億6400万円(同−33.6%) ・親会社株主に帰属する当期純利益:242億1900万円(同−41.7%)
と増収大幅減益決算でその発表後株価は渋り気味だった。しかし、この日本の逆転勝利に藤田晋社長はもとより同社社員はひときわ大歓声を上げていたのではないだろう。このままグループリーグを勝ち上がって、決勝リーグに進み、さらに勝ち上がれば、同社株も急騰を続けるに違いない。
サイバーエージェントの他にも、試合中継が見られる英国風パブ「HUB」を運営するハブは、この日本の逆転勝利で年初来高値を11月24日に記録、サッカー用品を販売するスポーツ関連株ではミズノが年初来高値を更新している。またサッカーゲームを販売するコナミグループ株にも買いが入った。
文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO
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