雪国では、早めのスタッドレスタイヤ装着が常識だと思っていたらニュースなどを見ていると、初雪の時期あたりでは、サマータイヤのままでスリップなどの事故を起こすクルマもいるようだ。「まだ大丈夫」と判断せずに早めにスタッドレスタイヤを装着するのが正解だが、たまにしか降らない地域でもまずは早めの対策をしておきたい。文・塚田 勝弘

突然の雪だけでなく、突然の凍結にも注意
凍結道路

当たり前で恐縮だが、雪が降り出すということは、寒くなってきているということだから、降雪以外にもスリップのリスクが高まるということになる。夜の降雨などでも朝には路面が凍結する可能性が高くなるため、とくに寒冷地ではまだ雪が降っていなくても注意したいポイントだろう。

外気温が0度前後で凍結すると言われているが、実際は5度前後から注意する必要がある。橋の上や交差点、トンネルの出入り口、坂(上下とも)、日陰などは要注意。朝出発する前に外気温を確認し、さらに走行中もメーターの外気温計を時々チェックしたいところ。

早めのスタッドレスタイヤ装着が一番
スタッドレスタイヤ

さて、急な雪に備えるのは冒頭で紹介したように、スタッドレスタイヤを履く。これが1番だ。

気象庁などの情報をチェックするなどして自分が住んでいる地域の初雪の時期を確認しておきたい。

タイヤチェーンやジャッキを用意
タイヤチェーン

雪の日には絶対に乗らないという人でも突然の雪の可能性はある。タイヤチェーン、ジャッキは晩秋から積載しておくのが無難だろう。

使い捨てタイヤチェーンやスプレー式タイヤチェーンなどもあるが、これはあくまで非常用で、安全を第一に考えるのならスタッドレスタイヤ、通常のタイヤチェーンがオススメだ。

なお、ジャッキアップ不要で、脱着しやすいタイプも多い。脱着に自信がない方は、カー用品販売店でこうしたチェーンを購入しておきたい。

オールシーズンタイヤという手もある

ちょっとした雪道なら走行できるオールシーズンタイヤを常に履いておく手もあるだろう。日本でも販売に力を入れているグッドイヤーの「Vector 4Seasons」などが代表例だ。あるいは、欧州で普及しているウインタータイヤを装着する手もある。

一般的にはスタッドレスタイヤほどの雪上、氷上性能はないと言われているものの、よほど厳しいコンディションでなければ緊急用として走行できるウインタータイヤもある。なお、こうしたタイヤには、「スノーフレークマーク」と呼ばれる雪の結晶のようなイラストが刻印されている。

ただし、「チェーン規制」では、こうしたスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤでも走行できるものの、「チェーン装着車以外通行止め」や「全車チェーン規制」では、文字どおり、チェーン装着車以外は走行できないため、豪雪地帯などに出かける場合は、スタッドレスタイヤを装着していても、万一に備えてチェーンは積載しておきたい。

スコップや脱出用プレートもあると安心

さらに、スリップしたり、雪に埋もれてしまったりした際の脱出手段(あくまで緊急用だが)などとしてスコップや牽引ロープ、雪からの脱出用プレートや脱出マット(古い毛布などでも代用できる場合も)、作業時に欠かせない手袋(軍手)や懐中電灯(アウトドア用などのヘッドライトも便利)などもあると安心だ。

ほかにも、雪かき棒やスノースクレーパー、解氷スプレーなどのアイテムもある。なお、雪上などでスリップして自力で脱出できるような場合は、横滑り防止装置をオフにして脱出し、出られたら再度オンにして滑らないようにするといった手段もある。