科学の急速な進歩によって、より大きな、もしくはより小さな数字を扱う必要が生じています。
こうした背景にあって、2022年11月18日に国際単位系(SI)の接頭語に新たな単位が加わりました。
ギガやテラなどは有名ですが、さらに大きなロナ、クエタ。
そしてナノやピコよりもさらに小さいロント、クエクトが加わったのです。
新たに4つのSI接頭語が加わる
科学技術の発展により、扱われるデジタルデータ量が急速に増大しています。
これらに対応するため、2022年11月18日にフランスで開催された国際度量衡総会で、新たに4つの単位が加わりました。
前回単位が加わったのが1991年なので、約30年ぶりの追加となります。
![追加されたのは、ロナ(R)、クエタ(Q)、ロント(r)、クエクト(q)](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/11/RQrq-900x600.jpg)
新しい単位は、ゼロが27個続くロナ(ronna)と、ゼロが30個続くクエタ(quetta)。
記号はそれぞれ大文字で「R」「Q」です。
そして、小数点と27個のゼロがあるロント(ronto)と、小数点と30個のゼロがあるクエクト(quecto)も加わりました。
記号はそれぞれ小文字で「r」「q」です。
これにより、すべてのSI接頭語は以下の画像のように並びます。
![SI接頭語](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/11/6eb9582b41dd7e1ced2885c1e981b7a0-602x600.png)
ちなみに、キロやミリなどの一部を除き、命名の仕方には規則性があります。
大きい数には「a」、小さい数には「o」で終わる接頭語を命名するのです。
イギリス国立物理学研究所(NPL)に所属しており、今回の新しい名称を提案した主任科学者リチャード・ブラウン氏は、次のように述べています。
「ロナ(R)、クエタ(Q)、ロント(r)、クエクト(q)という名称が選ばれたのは、RとQが他の単位や記号に使用されていない唯一のアルファベットだったからです」
今回の命名理由を考えると次回以降の名称が気になるところですが、とりあえずしばらくは、このとてつもなく大きく、またとてつもなく小さい単位で満足できるでしょう。
![新しい単位を使ってみよう](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/11/04f181089b9179bc08de3ee168debaae-900x450.jpg)
早速新しい単位を使いたい場合は、次のように言ってみてください。
「地球の質量は、約6ロンナグラム(6Rg)」
「木星の質量は、約2クエタグラム(2Qg)」
「電子の質量は、約1ロントグラム(1rg)」
「携帯電話に保存された1ビットのデータの質量は、約1クエクトグラム(1qg)」
実感がわきにくい単位ではありますが、案外、使い道は多いのかもしれませんね。
参考文献
Introducing ‘ronna’ and ‘quetta’, the new metric prefixes used to describe stupendously large quantities
Quettabytes and ronnagrams: Extreme numbers get new official names