なお、本グラフは厚労省発表の月間死者データを累計して年間死者数としたたものとなっており、別途発表される年間の死者数とは数値にズレがあるようです。ただし傾向の違いはありません。

呼吸器系疾患死者は月に1万5000人、日に500人以上 他の死因と比較すれば、コロナ死は主な死因に含まれない 普段から呼吸器系疾患、また他の重症患者の対応は行ってきた 逼迫するのは医療体制の問題

グラフは月ごとに表示したもので、横軸は時間推移で2009年1月から月ごとに現在までを示し、縦軸は月ごとの主な死因別死者数を示しています。

上のグラフからは毎月、全死因で8万人〜14万人の方がお亡くなりになっていることが分ります。下のグラフ、大まかな死因分類だと、多い順に、癌(3万人)、循環器系疾患(2〜3万人)、呼吸器系疾患(1万2千〜2万2千人)、老衰(5千〜2万人)となります。

死者の数には季節性があり、全死因死者や、循環器系疾患、呼吸器系疾患が特に顕著なのですが、グラフからは1月ごろ、つまり冬に多く亡くなって、夏は少なくなるということがよく分ります。呼吸器系疾患で亡くなる方は月に1万2000人〜2万2千人、日に400〜700人です。

一方、新型コロナによる死者は一番多い月で3000人(2021年まで)、6500人(2022年)です。数から言えば、日本人の主な死因に含まれませんが、グラフに表示するようにしました。多いときで日に平均200人程となります。

呼吸器系疾患で亡くなる方は、コロナ死が多かったときのコロナ死者と比べても、2021年までは5倍の規模、2022年になっても倍以上の規模です。そしてそれが「常時」なのです。医療体制が逼迫するとすれば、繰返しになりますが、それは医療体制を整える側の問題です。

余談ですが、近年、呼吸器系疾患死者が減り、老衰が増えています。この原因としては、在宅での見取が増え老衰と診断することが増えたことや、また遺族からの訴訟回避のために、呼吸器系疾患の一つである肺炎を老衰と診断することが増えたことなどがあるそうです。