2020年4月 緊急事態宣言時の医療崩壊を防ぐ戦略の説明
ピークを後にずらしつつ下げることで、医療崩壊を防ぐ ピークを下げると感染者が減りトータルとしての感染者も減るように見える 最終的にはゼロコロナが達成できるかのように見える
2020年4月7日に最初の緊急事態宣言を出たとき、医療逼迫して最悪、医療崩壊することを避けるためにピークを後にずらしつつ下げるという基本的な考え方が説明されました注2)。
しかしこのグラフだとピークを下げると感染者が減り、トータルとしての感染者も減り、最終的にはゼロコロナが達成できるかのように見えてしまいます。実際そう歪んで解釈してしまった人が多かったのでは無いでしょうか。後述しますが、現実は、検査の問題もあるのでしょうが、陽性者も死者も増えてしまっています。
2020年2月 元になったと思われる資料では違った 2020年2月時点で鳥取での資料が元の資料と思われる 感染はだらだら続くことを示す図だったこれは2020年4月の資料の元になったと思われる 2月の鳥取県新型コロナウイルス感染症対策本部の資料です注3)。こちらでは対策するとだらだら続くし、トータルの感染者は減るかどうか分らないと解釈できないでしょうか。
想像ですが、対策すると感染が減りそれほど長くは続かないように見える図にしないと国民に説明がつかないという判断があって、図が改変されたのでは無いでしょうか。
2009年の新型インフルエンザ総括時の資料 10年前から対策すると感染がだらだら続く可能性は分っていた 特別な感染対策の目的は忘れ去られ固定化2010年に行われたた、2009年の新型インフルエンザ総括でピークを下げると「患者発生はだらだら続く可能性あり」という文言も入った資料を作っていました注4)。作成者はコロナの専門者会議にも名を連ねている岡部信彦先生です。この知見を元に鳥取の図が作成されたのだと考えられますが、残念ながら、この対策すればすると新規感染症が長く続くことは国民には周知されなかったように思えます。
そして更に今は、病症逼迫は関係無く検査・マスク・ワクチンといった感染対策を常に行い、感染者が増えてくると病症逼迫と煽って感染対策を強化するというシステムが固定化されてきたように思います。本来、医療資源が確保されるまでの暫定措置で対策すると感染がだらだら続くという事実が忘れさられて。
次に医療資源が逼迫していたのか検証していきます。
【参考文献】
注1)Geekなページ, “企業文化が形成される経緯” 注2)厚生労働省, “新型コロナウイルス感染症について(基本的な考え方)” 注3)鳥取県新型コロナウイルス感染症対策本部, “新型コロナウイルス感染症対策本部情報連絡会議情報連絡会議,” 2020/02/25 注4)厚生労働省, “新型インフルエンザの診療に関する研修,” 2011/11/06