デジタル普及でグローバル化へ
最近ではインターネットを利用したサッカー観戦も安易になり、パソコンやスマートフォンを目の前にして、試合を観ることが当たり前の世の中となった。デジタル普及は今後もグローバル化に貢献していくと言えよう。
FIFAによると、2005年から既にインターネット配信収益は発生していたというが、やはり2010年までは一般的ではなかったそうだ。2022年になった今、視聴者の約42%がインターネット経由でカタールW杯を視聴するつもりであることが明らかになっている。
さらに割合としては、インド、中国、サウジアラビアなどの国のインターネット観戦率が特に増加傾向にあるとしている。視聴方法の選択肢が増えるにつれ、サッカーがより多くの人々に親しまれグローバル化されて行き、少しずつ規制の厳しい国にも変化が訪れることを願いたい。
さて、日本でもW杯視聴予定の人々は大勢いることだろう。今カタールW杯は、地上波では「NHK」「テレビ朝日」「フジテレビ」が一部試合を放送予定。インターネットのプラットフォームとしては、「ABEMA」が全試合無料ライブ配信を行う。筆者もインターネット視聴を予定しているが、視聴の割合は一体どの程度なのかが気になるところだ。
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女子サッカーの存在が世界を変えるキーポイント
さらなるグローバル化に向けては、女子サッカーの存在がキーポイントになるだろうとも考える。女子サッカーは近年誕生したものと思われがちだが、遥か昔の1795年に既に存在していた。当時の英国スコットランドにおいて、女子だけのサッカー試合記録が残されている。
「女子サッカー」という言葉が頭角を見せ始めたのは、1991年の第1回FIFA女子ワールドカップ(女子W杯)でアメリカが優勝してより。2011年には欧米を抜いて日本がアジア諸国で初の優勝に輝いた。この出来事から、一気に勢いが加速した。
今2022年、UEFA欧州女子選手権でイングランド女子が優勝した際は、パレードや式典にロンドンのトラファルガー広場が埋め尽くされるほどの相当な数の人々が押し寄せた。また、イングランドではサポーターの増加だけではなく、タイトルスポンサーを持つナショナルリーグの数も増加傾向。2020年は約70%という数値が、2022年には約80%ものリーグがスポンサーを持つ状況に変化している。
しかしながら、未だに女子サッカーは赤字傾向にある状態。そして、国際問題を含む重要な解決すべき事柄が多く存在している。そこには、男子サッカー比での雇用賃金問題などの不平等な部分や、性差別的なメディア報道の仕方など、その他にもいくつかの人権問題が含まれている。
2023年に予定されている女子W杯は、オーストラリアとニュージーランドが共同で開催する予定だが、これら世界的な問題解決にも焦点を当てられるという。そのため、W杯としては初の試みとなる人権担当マネージャーが任命されている。
女子サッカーに対する期待が高まっているからこそ、それに伴う改善すべき点が明らかになってきているとも言えるだろう。これらが明らかになり解消されるほどに、サッカーが国際問題解決のきっかけになり得て、ひいては更なるグローバル化に繋がるかもしれない。