ハゼ釣りなどの陸っぱりちょい投げ釣りでたまに釣れる「コトヒキ」について調べてみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
コトヒキとは
ハゼ釣りをしているとたまに釣れる縞模様のある謎のサカナ「コトヒキ」。コトヒキは【スズキ目・シマイサキ科・コトヒキ属】に分類されるサカナです。
日本で確認されているシマイサキ科のサカナは、コトヒキ属のコトヒキ、ヒメコトヒキ、ヨスジシマイサキ属のヨスジシマイサキ、シマイサキ属のシマイサキ、ヨコシマイサキ属のヨコシマイサキ・ニセシマイサキ・シミズシマイサキの7種のみが確認されています。
このうち、ヨコシマイサキ、ニセシマイサキ、シミズシマイサキの3種は、いずれも沖縄県の西表島でしか確認されていません。
コトヒキの生息域
日本での生息域は北海道以南に生息してはいますが、関東地方以南に多く、海外で見てみると南西諸島、南シナ海、台湾、東南アジアに分布しており、比較的温暖な海を好む傾向にあるようです。
また、沿岸のごく浅いところで成長し、幼魚は河口に集まって群れで行動します。
内湾、沿岸の浅所、河口域が主な棲息場で、ある程度大きくなるまでは河口の汽水域に多く見られます。
このため、ハゼ釣りなどではよく目にすることがあり、群れで行動することから、ハゼ釣りでのエサ取り枠として扱われています。
最大で30㎝程度と言われ、大きくなるとサーフなどの沿岸域に生息地を変えますが、比較的水深の浅いエリアを好むようです。
名前の由来
コトヒキは、浮き袋を使って「グゥグゥ」という鳴き声を出すことが知られています。浮き袋には「発音筋」と呼ばれる筋肉が付着しており、この筋肉の振動を利用して浮き袋から音が出ています。
この音が「琴」の音色に似ていることからこの名前がついたと言われています。
近縁のシマイサキも、エサを探しているときや縄張り行動、産卵期のときに鳴くとされており、こちらも同様の方法で鳴いていると考えられています。
コトヒキの食性
コトヒキは基本的には肉食性で、砂浜などの海底に生息する小魚や甲殻類などが主食です。
そのため、ゴカイなどのエサ釣りでは小型のコトヒキがよく釣れますし、シーバス狙いのルアーフィッシングでは中型のコトヒキがゲストとして釣れることもしばしばあります。
生食は危険なことも?
コトヒキの旬は産卵期に当たる夏が美味しいと言われていますが年中釣ることが出来るサカナではあります。
血合いも少なく、独特な臭みもないため、刺身や洗いにしても美味しいと言われています。
しかし、汽水域に棲息する個体には、ボラやハゼなどと同様に有害異形吸虫が寄生している可能性があるため少し危険です。
体内に多数寄生している個体を食べると、下痢などの消化器障害を起こす恐れがあるため、生食したい場合は川から離れた海で釣ったもの限定にした方が良いでしょう。
これについてはしっかりと加熱すれば問題はなく、コトヒキ自体も淡白な白身なので、塩焼き、唐揚げ、煮付けなどにすればかなり美味しく食べることが出来ます。