三陽商会が展開する紳士靴ブランド「三陽山長」。

ブランド創業20年の集大成として2021年春に発売しヒット作となった「プレステージライン」の新作が登場する。かつて三陽山長のオーダーシューズを製作していた日本を代表する靴職人「関 信義」氏が遺したアーカイブを、持てるすべての技を注ぎ込み復刻。

「謹製 星之丞(きんせい ほしのじょう)」「謹製 義之丞(きんせい よしのじょう)」「謹製 蔵之丞(きんせい くらのじょう)」の3モデルを、「三陽山長」5店舗および当社直営オンラインストア「サンヨー・アイストア」にて11月23日(水)より一斉発売する。

至高の職人技を贅沢に詰め込んだ「プレステージライン」の新作

「プレステージライン」は、20年の技術を結集したトップグレードシリーズとして“ビスポークシューズ(オーダー靴)に限りなく近い一足に仕立てる”をコンセプトに、革から仕上げまで全て上質なクオリティで製作。

これまで7モデルを発売し、いずれも好評を得ている人気シリーズだ。「プレステージライン」という最高峰シリーズを始動させた今こそ関氏の作品を復刻したい、その想いを形にしたのが、今回発売する3モデルである。

伝説の靴職人「関 信義」氏が遺した誂(あつら)え靴を復刻

研ぎ澄まされた造形美が光る一文字

アッパーの繋ぎ目にステッチを見せず縫製する“レベルソ仕立て”を採用したストレートチップ「謹製 星之丞」。現行コレクションで展開する「匠一郎」にも似たデザインだが、アイレットの横にステッチを見せない仕上げのため、よりミニマルに削ぎ落とされた表情に。

謹製 星之丞 ¥165,000(税込)

謹製 星之丞 ¥165,000(税込)

HAAS社製ボックスカーフ、曲線美を際立たせるセミべヴェルドウエスト、シームレスヒールといった最高級仕立てが、抑制美の効いたレベルソ仕立てによっていっそう引き立っている。三陽山長のレベルソ仕立ては、革の端を極力薄くすいてから縫い合わせているのが特徴。これにより仕上がり面がなだらかになるため、流れるような一体感を生み出せる。

流麗さを際立たせたダブルモンク

謹製 義之丞 ¥165,000(税込)

謹製 義之丞 ¥165,000(税込)

生みの親である関氏にあやかって“義”の字を受け継いだ一足。最大の特徴は、甲を覆うストラップ部分を細めにデザインし、斜めに流すようにしてバックルを配置。

こだわったのは、甲部分のフィット感。ストラップが細いぶん、アッパー全体でしっかりとホールドすることで履き心地のよさを維持。秘訣は、R2010の派生形で本来はスリッポン用に開発された木型「R2010S」ラストである。屈曲性の高い「フレキシブルグッドイヤーウェルト製法」ともあいまって、抜群のフィット感を叶えている。

“エッジの仕上げ”に拘り抜いた一足

謹製 蔵之丞 ¥165,000(税込)

謹製 蔵之丞 ¥165,000(税込)

靴紐を排し、履き口部分に伸縮する帯状のパーツをあしらって足をホールドするサイドエラスティックシューズ。いかにも誂え靴らしいデザインで足元を彩ってくれる。

「謹製 蔵之丞」ならではの特徴は、「カールエッジ」と呼ばれる仕立て。トウやヴァンプなどを縫い合わせる際、革の端を折り返してからステッチをかけることで、繋ぎ目に独特な立体感を生み出しているのがポイントだ。

さらに注目したいのは、エラスティックパーツの仕上げ。よく見ると、表側のレザーを上部で折り返し、内側まで包み込むように配していることがわかる。これにより、上から見たときの美しさを高め、微細なディテールまで突き詰めて美観を追求する。これもプレステージラインならではの作り込みだ。

伝説の職人が遺したかつての銘靴を、現在のノウハウで蘇らせた3つの革靴。それはいうなれば、時を超えた“至高の職人技”の融合であり、「三陽山長」の歴史に名を残す力作、と胸を張れる仕上がり。この機会に本物の一足を手に入れてみてはいかがだろうか。

(akihiro takeji)