目次
■レコードが鳴っていた20世紀の音をもう一度
■店主とっておきの一枚
■音響機材
■レコードが鳴っていた20世紀の音をもう一度
ジャズを中心に約2000枚のレコードを所有。クラシックや歌ものをかけることも。 天井が高く開放的。力を抜いて音楽に身を委ねることができる。 大阪駅から歩くこと10分。どこからかジャズの低音が漏れ聞こえてくる。音楽に誘われて、隠れ家を蓋する木の扉を開けると、アナログならではの生音と共に、圧巻のレコードコレクションが目に飛び込んできた。
「KAFFE BAR NELLIE」は、住宅や店舗のデザイン、内外装の施工を行う東西新風堂が手がける店。昼はカフェ、夜はバーとして営業している。音楽好きの社長のもと、創業したのはレコードブームに火が付く前の平成26年(2014)。
「デジタルの音に慣れた現代人にアナログレコードを聞いてほしい。ビンテージオーディオで音楽が聴ける場所をつくりたい」という思いから誕生した。
「どんな人が来ても伝わるように」と、ジャケットが見えるディスプレイ。 中2階からはカウンターを見晴らせる。 珈琲豆はインドネシアのマンデリンを使用。 香り高くコクが深いマンデリン珈琲と濃厚な自家製チーズケーキ。カフェタイムはセットで1000円。 以降、アナログでしか表現できない音の個性を追求し、50年代から60年代のジャズを中心に、「レコードがその当時に鳴っていた音のつくり」を表現している。
内装のコンセプトの一つは、「セロニアス・モンクの頭の中」だ。
言わずもがな、20世紀最高の演奏家のひとりとして名高いジャズ・ピアニストのことである。落ち着いた色彩の家具や温かみのある木材、ユニークな小物やアートにより、店内にはジャズを味わうのに相応しい空間ができあがっている。
20代から60代と幅広い客層に愛される理由は、音楽だけでない圧倒的な空間プロデュース力にあるのだろう。「お客さまが新しいものに触れるきっかけになってほしい」と店長の八木悠介さんは語る。
「私たちが表現するものとお客さまが共鳴して、お客さまの頭の中にあるイメージを膨らませてくれたら面白いと思います」
階段を上がると秘密基地のような中2階に出られる。 多くのレコードと同じ1950〜60年代のスピーカーで当時の音を表現。 ジャズだけでなく、伸びやかなボーカルが特徴のジョニ・ミッチェル、弦楽器の響きが美しいバッハの無伴奏チェロ組曲など、レコードのジャンルは多岐にわたる。多彩な音を豊かに表現するアナログの底力に唸ると共に、広々とした空間への反響が斬新な感動をもたらしてくれる。
大人の感性を刺激する21世紀の音楽喫茶だ。
■店主とっておきの一枚
Thelonious Himself
セロニアス・モンク
レーベル/Riverside
アメリカのジャズ・ピアニスト、セロニアス・モンクの代表作。孤高のピアニストとも称される独自の芸術性と呼応するこだわりの店内で、ぜひとも堪能したいピアノソロの名盤だ。
■音響機材
レコードプレーヤー:Dual 1009
アンプ:(プリ)marantz 7、(真空管)SANSUI BA-303
スピーカー:ALTEC 831A CAPISTRANO
KAFFE BAR NELLIE
平成26年(2014)創業
大阪府大阪市福島区福島6-25-28
TEL:06-6442-1812
営業時間:17:00~26:00(月〜木)、17:00〜27:00(金)、 12:00〜27:00(土)、12:00〜24:00(日)※1時間前LO
定休日:不定休
席数:カウンター席20席、テーブル席12席、BOX8席、ロフト10席
アクセス:JR「大阪駅」より徒歩約10分
文/畠山明菜 撮影/尾上達也
提供元・男の隠れ家デジタル
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