夕刊フジから「岸田内閣は政権のタガが外れているのではないか」「首相の判断は機敏さを欠いている」という声があるがどう思うかという取材を受けた。

「国際基準のスピード感で決断力を発揮した安倍晋三政権と比べれば見劣るだけで、岸田政権は『過去の政権レベルに戻った』だけともいえる。だが、日本を取り巻く情勢は緊迫しており、今の危機管理では非常に不安だ。安倍氏は官房長官の菅義偉氏とのラインで強力なリーダーシップ型の政権運営を行った。岸田首相は、安倍政権の良い部分を真剣に採り入れる必要があるのではないか」と答えたところ、それが記事にもなっている。

葉梨法相グダグダ更迭 岸田首相、山際氏に続き続投の意向から批判受け一転 危機管理能力が欠落「台湾・日本有事」に対応できるのか(2/2ページ)
 政権にさらなる打撃だ―。岸田文雄首相は11日夜、失言が問題化した葉梨康弘法相を更迭した。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題で辞任した山際大志郎前経済再…

実際のところ、安倍内閣(やそれを継承した菅義偉内閣)の仕事のスピード感とか、行き届いたところは、やはり特別だったと思う。それが、一世代で中国の8倍あったGDPを三分の一以下にしてしまった平成のダメ政治にもどったと思えばこれが日本だということなのだろう。

もっとも昭和の政治家が良かったとも思えないが、官僚機構はまともだったし、民間も活力があった。もうそれもダメになったのだから世話ないが、その責任のかなりも政治家にある。もっとも政治家は国民が選んだのだから、国民が悪いと云うことになるのかもしれない。

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そんな話をしていたら、与野党メッタ切りにした本を書かないかと小学館からいわれて書いたのが、11月24日発売の『日本の政治「解体新書」: 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)である。