未曾有のインフレ下、買収は承認されるのか
加えて現在米国は未曽有のインフレにより物価高が進んでいる。10月13日に米国労働省により発表された9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.2%の上昇となっており、ガソリンは前年同月比18.2%、食料品は11.2%、住居費は6.6%の上昇となった。
前月に比べて伸びが鈍化した品目もあるものの、前年との比較では大きく物価は跳ね上がっており、冬季に入りエネルギー価格の再上昇も懸念されている。一般市民の生活が圧迫される中、今回の大型合併が更なる生活環境の脅威になると見なしている人々が実際に多くいるのだ。
逆に、今回の合併が価格や品質において規模の経済によるメリットを消費者に届けることになる、または小売業界にとって最も包括的なファーストパーティデータを持つことになり、非常に強力なプロモーションやパーソナライズが可能になるなど、業界の更なる進展を予測するポジティブな意見や、「統合の動きはトレンドであり、本合併はその始まりに過ぎない」という見解もある。
このような環境下において今後は、チャレンジングな戦略に打って出たクローガーとアルバートソンズが、反トラスト法を含む規制当局の承認を獲得できるのかが最大の焦点となる。審査プロセスには1年以上が費やされる可能性もあり、合併を取り巻く11月からの政治経済動向が注目される。
提供元・DCSオンライン
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