異性を探して野垂れ死ぬより同性カップルで落ち着いたほうがいい

異性を探して野垂れ死ぬより同性カップルで落ち着いたほうがいい
Credit:Canva . ナゾロジー編集部

なぜシロアリたちは異性の役割を演じてまでカップルになろうとしたのか?

研究者たちは、カップルになる相手探し(婚活)が危険に満ちているからであると述べています。

異性パートナー探しに時間をかけすぎると捕食されるリスクが高まります。

一方、メス同士のカップルの場合、シロアリは単為生殖も可能であるため、シェルターとなる巣の建築に着手することが可能です。

これまでの研究により、メス同士のカップルであっても巣の設営は問題なく進むことが知られています。

またオス同士のカップルの場合は、婚活を停止させて別の巣穴に侵入し、そこでメスを見つけて交尾することも可能になります。

そのため研究者たちは、同性とのカップリングは、危険性の高いお相手探しを早々に切り上げるための生存戦略として用いられている可能性があると述べています。

もしかしたらシロアリたちは、本能から発せられている厄介な「結婚相手の探索命令」を、なんでもいいからカップルを形成することで停止させ、自らの生存率を上げているのかもしれません。

研究者たちは今後、性別にとらわれないカップリングがどのように進化してきたかを調査していく、とのこと。

参考文献
シロアリ―生き残りをかけた同性カップル誕生の秘訣

元論文
Ancestral sex-role plasticity facilitates the evolution of same-sex sexual behavior