さざ波に終わった共和党?
インフレ、バイデン大統領の低支持率などの要因が重なり、「津波」のような勢いで中間選挙を席巻すると思われていた共和党だが、蓋を開けてみれば「さざ波」程度の結果となりそうだ。むしろ、下院の選挙結果次第では民主党にとっての「さざ波」なることも未だあり得る状況である。
上院選は識者の予想通りデッドヒートが繰り広げられたものの、13日にネバダ州で当確が出たことで、12月6日に実施されるジョージア州での決選投票を前に民主党は上院の死守した。
一方、下院選はこれまでの中間選挙における野党に風が吹く傾向が多かったことから、共和党が勝つことが確実視されるだけではなく、大勝する予測もでていた。しかし、下院もこれからの集計作業の結果次第で民主党が多数派を維持する道も残っており、仮に共和党が勝ってもトランプ派の暴走によって多数派の意味をなさない場合も予測される。
トランプをこれまで鋭く批判してきたリベラル系のみならず、保守系メデイア各社、共和党の反トランプ派の人たちは予想外の共和党の苦戦を全てトランプ氏に押し付けようとしている。トランプ氏が擁立した候補が過激すぎたせいで、取れるはずだったバイデン、民主党に対する批判票を取りこぼしてしまった。それゆえ、トランプ氏は敗戦責任としては再び大統領になるという野望を諦め、フロリダ州知事選で大勝したデサンティス氏に後継を譲るべきだという論調である。
だが、トランプ氏に一定の敗戦責任は帰せられる一方で、今回の中間選挙の結果はトランプ氏の共和党内において無視できない影響力を未だに誇っていることを示した。