ロシア軍のウクライナ侵攻を批判し、欧米諸国と共に対ロシア制裁に参加した日本に対し、ロシアは3月7日、日本を「非友好国」に指定し、4月27日にはモスクワ駐在の8人の日本外交官の強制退去を通告、そして5月4日、63人の日本人にロシア入国禁止措置の制裁を科した。

宗教者とプーチン大統領の愛人が制裁される時
(画像=英国を訪問、ジョンソン首相の出迎えを受ける岸田文雄首相(2022年5月5日、官邸公式サイドから)、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

リスト入りしなかった記者の複雑な思い

興味深い現象といったら怒られるかもしれないが、日本では誰が63人のリストに入ったかで注目を集めているのだ。岸田文雄首相や林芳正外相など政府関係者から与党政治家、実業界、大学教授、メディア関係者までリストアップされている。朝日新聞や読売新聞はリストに載った日本人の学者やメディア関係者の名前まで実名で報じていた。

朝日新聞論説委員(ロシア・国際関係)の駒木明義氏は4日、「私が入っていなかったので少し複雑な思いです」というコメントを朝日新聞のウェブサイトに発表していた。ロシアの63人の制裁リストに掲載されなかったことを素直には喜べず、「少し複雑な思い」に陥っているという正直な告白だ。ロシアの独裁者プーチン氏から、「お前はよくやっているから制裁リストには載せないよ」と言われても自慢はできない。リスト入りしてこそ本当の記者だ、といった思いが湧いてきて「少し複雑な思い」になるのだろう。