東証スタンダード上場企業で女性インナーウェア販売のシャルレは、2023年3月期(2022年4月1日〜2023年3月31日)の、第2四半期決算、および通期決算を直近の業績予想(6月10日発表の下方修正)から下方修正し、10月28日に発表した。それによると
11月11日発表予定の第2四半期決算が:
・売上高:65億円→64億4300万円
・営業利益:1億8000万円→2億4000万円
・経常利益:1億8500万円→2億6300万円
・親会社株主に帰属する四半期純利益:-7億1300万円→-5億8000万円
通期決算予想が:
・売上高:142億8000万円→128億円
・営業利益:5億9000万円→7800万円
・経常利益:6億円→1700万円
・親会社株主に帰属する当期純利益:−4億1300万円→−7億5600万円
同社によれば、主力事業である女性インナーウェアの不調を補ってきたシャワーヘッド販売が、コロナ禍による巣ごもり需要が一巡したことや競合激化により急減したことが売り上げの減少を招き、加えて予定していた新規事業の開始が遅れ、また原材料の高騰が利益を減らしているという。コロナ禍による巣ごもり需要に助けられてきた企業にとっては、その需要が急減して業績悪化するケースが今後かなり見られそうだ。
ところでシャルレが、4月1日から始まった今期において、業績修正を行うのは今回が2度目だ。シャルレは業績不振から5月13日に25名の早期退職を募集した。ところが応募が38名と予想を上回ったために、予定していた早期退職者への退職金への特別加算金が増えるので、特別損失増大の理由で6月10日に第1回目の業績下方修正を行っている。そして業績不振を理由に今回2回目の業績下方修正。小刻みな業績修正は
株主への正確な企業情報提供という面もあろうが、経営トップの見通しの悪さの証左でもある。
このシャルレという企業は、同社顧問だったバレーボール名選手の三屋裕子を2004年に社長に抜擢したものの、オーナーの林一族との反目で2007年に解任するという事件があった。また2008年には、当時大証2部上場の同社は、MBO(マネジメント・バイアウト:経営陣によるその企業の買収)を計画しTOB(テイク・オーバー・ビット:株式公開買い付け)を行い非上場化を目論んだ。しかしその価格が不当に安かったことなどの理由で非上場化は失敗し、さらに株主代表訴訟にも敗れ賠償金を取締役が支払うという事件もあった。
どうも経営の実権を握る林一族によって、会社が動いている印象だが、現在の難局をどう乗り越えるのか大いに注目される。
文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO
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