11月といえば、年末、そして年度末になだれ込む一年で一番忙しい時期の一つですよね。例年、あなたも仕事に忙殺されてしまってはいませんか?

ですが、今年だけはちょっと頭を切り替えましょう。なぜなら、11月21日から4年に一度の世界最大のスポーツの祭典、サッカーワールドカップ(以下、W杯)が開催されるからです。

FIFA オフィシャルHPより

これまでのW杯は主に6月前後でした。ですが、今回は開催地カタールの酷暑を避けてハロウィンとクリスマスという2大イベントに挟まれたこのタイミングになりました。

いやあ、この忙しいタイミングにW杯があるのは良いことなのか、悪いことなのか…、正直よくわかりませんね。

ですが、今回は全力で日本を応援しなければもったいない大会です。

日本は初戦でドイツ、第3戦でスペインというW杯優勝歴もあるサッカー伝統国と対戦します。ドイツ、スペイン共に掛け値なく世界が認める優勝候補です。

グループリーグ組み合わせ出典:FIFA オフィシャルHPより

実は日本は今大会を含めW杯7大会連続出場です。しかし、W杯優勝経験のある真の強豪国との対戦は初出場1998年大会のアルゼンチン戦のみです。7大会も出場していて、優勝経験国との対戦がたったの一度とは…寂しい限りですよね。

その中で、今回は真の強豪国とW杯という真の真剣勝負の舞台で日本代表が2度も対戦するのです。日本にとって、なんという価値ある大会なのでしょう!!

これはもう、日本を応援して楽しまなければもったいないですよね。さあ、森保ジャパンの応援ポイントを押さえに参りましょう!!

メンバー発表というサプライズ?

さて、今、応援するべきは何でしょうか?

日本代表メンバーのケガ人続出問題が、最も熱いものの一つかもしれません。

去る11月1日、W杯に臨む森保ジャパンのメンバーが発表されました。メンバー発表と言えば何らかのサプライズがつきものですが、今回はこれまでとは違うサプライズがありました。

それは、メンバー発表の時点でのけが人の多さです。これは必ずしも日本だけの問題ではなく、他の国も大なり小なり同じです。欧州リーグのレギュラーシーズンど真ん中ですので、当然と言えば当然です。

ただ、日本の多さはちょっとレベルが違う印象です。

けがが心配される選手たちは?

メンバー発表時点で、所属チームで戦列を離れている、または大事を取っている選手は、明らかになっているだけで次の通りでした。

FW 浅野拓磨(ドイツ:ボーフム)右膝の故障。 MF 守田英正(ポルトガル:スポルティング)左ふくらはぎの故障。 MF 久保建英(スペイン:Rソシエダード)左肩脱臼。 MF 田中碧(ドイツ2部:デュッセルドルフ)右膝の故障。 DF 板倉滉(ドイツ:ボルシアMG)左膝の故障。

もちろん、日本の初戦11月23日までには回復することを見込んでの招集だと思われます。

ただ、短期間にゲームが集中するのがW杯です。負荷がかかりすぎて再発したり、患部に違和感を抱えたままプレーすることで他の怪我につながるリスクが高い大会です。

得点シーンで勝負強い浅野選手、攻守の要とされる守田選手、日本の至宝とされる久保選手ら、主力級の選手ですので頑張って欲しいところなのですが…。

無事に戦い抜けるだろうか、と心配せざるを得ません。

まずは、選手の順調な回復を応援するべきでしょう…と私も思っていました。

さらにけが人が続出中…

しかし、メンバーの発表後にさらに2名の負傷者がでました。

DF 中山雄太(イギリス2部:ハダースフィールド)アキレス腱の故障。 DF 冨安健洋(イギリス:アーセナル)右股の故障。

特に中山選手は「今季絶望」とされています。冨安選手もかつて長期にわたって戦線を離脱した古傷の再発と言われ回復の目処は不透明です。

圧倒的な攻撃力を誇るドイツとスペインとの対戦を前に、ゴール前の守備の要と見られていた冨安選手、左サイドバックの先発候補と見られていた中山選手が離脱したら…明らかなピンチです。日本サッカー協会の田嶋会長は追加招集を示唆していますが、現状、森保監督とそのブレインたちがどのような決断を下すのか注目が集まっています。

森保監督にアンコンシャス・バイアスは働くのか?

ネット上では「誰を呼ぶのだろう?」と様々な憶測が漂っています。

中でも、出場絶望がほぼ確定の中山選手の代役としては、森保監督の元教え子で信頼が厚いとされるベテラン、33歳の佐々木翔選手(サンフレッチェ広島)と21年のオリンピックで活躍し欧州の舞台で飛躍中の若武者、24歳の旗手怜央選手(スコットランド:セルティック)が有力と見られているようです。

全く別の選手が選ばれる可能性も大いにありますが、仮にあなたが監督だったら信頼しているベテランと躍進が期待できる若手とどちらを選びますか?

監督の立場になって考えてみましょう。

詳しくは別記事で紹介しますが、今回の人選はドイツ、スペインとの対戦では圧倒的に攻め込まれることを想定したと言われています。一発のパスによる形勢打開力が期待できる柴崎選手も選ばれていますが、基本的には監督はリスクマネジメントを強く意識しているのではないかと考えられます。

ピンチにおいては、損失のリスクは大きく評価されがちで、期待よりも安心を求める方向に気持ちも傾きがちです(損失回避バイスというアンコンシャス・バイアスの一つ)。となると、集中力を切らさずに献身的に守りきってくれる選手を選びたくなるのではないでしょうか?もちろん、トップコンディションであればという前提がつきますが、状況的には信頼できる佐々木翔選手に気持ちが傾くようにも思えます。

さあ、あなたなら森保監督はどのように決断すると考えますか?

brushpiquetr/iStock

サッカーはお気に入りの選手の活躍も醍醐味ですが、監督の立場で考えてみることも醍醐味の一つです。けが人続出の状況にあって、森保監督の決断に注目するとW杯までの長い前夜も楽しめそうです。さあ、ご一緒に世界最大の祭典で盛り上がりましょう!!

杉山 崇(脳心理科学者・神奈川大学教授) 大人の杉山ゼミナール、オンラインサロン「心理マネジメントLab:幸せになれる心の使い方」はでメンバーを募集中です。心理学で世の中の深層を理解したい方、もっと幸せになりたい方、誰かを幸せにしたい方、心理に関わるお仕事をなさる方(公認心理師、キャリアコンサルタント、医師、など)が集って、脳と心、そしてより良い生き方、働き方について語り合っています。