双眼鏡は必須、できれば望遠鏡で

皆既月食のとき、天王星の明るさは5.6等なので、残念ながら肉眼では見えません。

月の裏側に星が隠れて再び出現する「星食」は恒星でも惑星でも起こりますが、恒星食の場合は潜入も出現も一瞬なものの、惑星である天王星は見かけの大きさにかなり差があるため、潜入や出現に時間がかかります

東京の場合、だいたい潜入に15秒間出現に17秒かかると予想されています。そのほか、月縁の山や谷などの地形も影響するので、観測する場合は注目してみましょう。

2022年7月10日撮影のさそり座の星食
Credit: Ofugutan

ちなみに2022年7月10日に観測した、さそり座の額の星δ星(デルタ星)の星食は潜入は雲に隠れている間で見えず、出現は一瞬でした。

皆既月食中は「おひつじ座」を探してみよう

ところで、自分の「誕生日の星座」って見たことはありますか?

明るい星があったり、星の数が多くて形がわかりやすかったりする、さそり座やふたご座の人は探すのが楽ですよね。

誕生日の星座のなかでも、「おひつじ座」は明るい星が少なく、星の数も少ないので探しにくい方です。

2022年11月8日の皆既中の月とおひつじ座の位置
Credit: Ofugutan

しかし今回、皆既中の月がちょうど「おひつじ座」の近くに来ます。羊の「下半身」の部分ですね。

皆既中の月の高度もだいたい40°ほどと観察しやすい位置にあるので、誕生日が3月〜4月のおひつじ座の人は、探してみてはいかがでしょうか。

次回の月食はいつ見られる?

2022年11月8日の皆既月食は全国で見られるうえ、なかなかない好条件です。

このあとに日本で見られる月食は、以下。

  • 2022年10月29日:部分月食で月入帯食
  • 2025年3月14日:月出帯食の皆既月食
  • 2025年9月8日:皆既月食

月出帯食は月が欠けた状態で昇ること、月没帯食は月が欠けたまま沈むことです。

再び欠け始めから終わりまで今回のような月食の全行程が見られるのは、数年先。

まだ寒さも厳しくなく、空気も澄んで月を見るのにいい季節です。今年1番の天体ショーを楽しみましょう。

参考文献
ASTROGUIDE 星空年鑑2022 日の出・日の入りマップ
国立天文台 ほしぞら情報
国立天文台 月食一覧