日本で初めて国産ジーンズを手掛けたジャパニーズジーンズのパイオニア「ビッグジョン」。1973年に初めて開発した「純国産ジーンズ」が来年に誕生から50周年を迎える。
そこで今回は、「BIG JOHN JEANS」の歴史を紹介しよう。
ジャパニーズジーンズの歴史を創り続けるBIG JOHN JEANS
倉敷を拠点としていたクラボウ(当時倉敷紡績)とビッグジョン(当時マルオ被服)両社のコラボレーションにより国産デニムは開発され、純国産ジーンズの製造が始まった。
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旧式織機(参考写真)
当時の日本にはデニムのような厚手の生地を加工する技術がなかったため、製造する機械を作ることから始まった。
一方、日本には元々藍染の文化があり、アメリカ式の染工技術を取り入れることでより高い品質の染め加工ができるようになっていく。
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広幅織機で織られた生地(参考写真)
1960年代前半に国産ジーンズ開発開始
若者を中心に花開いた新しいカルチャーを目の当たりにしたビッグジョン創業者の尾崎小太郎氏は、より品質の高い日本のジーンズを作りたいと地元岡山に戻り開発にのめり込む。
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ビッグジョン(当時のマルオ被服)の様子
当時国産のデニム生地は存在しておらず、アメリカから生地を輸入して縫製するところからのスタートとなった。
ジャパニーズジーンズブランドが誕生
ビッグジョンは国産ジーンズを世に送り出したものの、それらはあくまでもOEM生産(委託者の為に製品を生産すること)だった。
ジーンズ生産の経験を積み重ねていく中で、本場アメリカの製品に負けないジーンズを作りたい、世界一のジーンズを作りたいという想いが芽生え、自社ブランド開発に挑戦していくことになる。
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BIG JOHN PROT MODEL
当時の米国ジーンズ最大手ブランドと同じコーンミルズ社の14オンスデニムの輸入に成功し、最初に作ったのが「BIG JOHN PROT MODEL」というモデルだ。
日本人のために作られた国産ジーンズ
晴れて国産ジーンズブランドがデビューとなるが、若者たちはアメ横で購入した履き潰れた、色が落ちた中古ジーンズに慣れていたため、新品の色が濃く、硬いジーンズは受け入れられなかった。
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国産初のジーンズブランド 「 BIG JOHN 」
後にこの経験が、今では当たり前になった「ジーンズのUSED加工」という日本独自の工法が生まれるきっかけになっている。
1973年、クラボウ(当時倉敷紡績)と共同で試作を繰り返し国産デニム第一号「KD-8」が誕生。品番はクラボウデニムの頭文字「KD」と付けられ、それは輸入されたデニムに負けない品質の高いものだった。
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国産初のデニムを活用した純国産ジーンズ
同年、ALL JAPAN MODEL 純国産ジーンズロットNO.1002がデビュー、日本のジーンズ史に重要な1ページを刻む。今でも「KD-8」からの派生系で生まれたデニム生地は世界中のブランドで採用されているほどデニム業界に与えるインパクトは大きいものだった。
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当時のジーンズ縫製工場
国産デニムの基礎となったクラボウ社の「KD-8」は現在も作り続けており、KD-8を活用したBIG JOHN JEANSも作り続けている。
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日本人の実直な気質をシンプルに表現したストレートライン
昨今ではファッション性として表面にムラをあえて作る、ヴィンテージ系ジーンズがフォーカスされているが、ビッグジョンが品質の高いデニムを生み出さなければこの文化も生まれてこなかったとも言われている。
高い品質水準でコントロールすべく、真っ直ぐに努力を続けてきたことが日本のデニム産業における原点なのだ。ビッグジョンは、そのジャパンスピリットをバックポケットのダブルステッチで表現し、そのステッチのように国産ジーンズをこれからも真っすぐ追及するという。
ビックジョン公式WEBページ
(IKKI)