【カフェの特徴】

地球活動が生み出した地形や地質を保護しながら、さらにそれらと深く関わりのある人々の暮らしや歴史、食べ物など地域の文化への理解を深め、自然と人間との共生を学ぶことのできる場所、「ジオパーク」。なかでも阿蘇のジオパークは、その価値を国際的に認められたユネスコ世界ジオパークの1つ。ジオパーク内の見どころである「ジオサイト」は実に33か所にのぼり、この地域に世界有数規模のカルデラである大観峰カルデラをはじめ火山活動を中心とする地形、歴史、文化を体感できるポイントが数多く存在する。

そのような大自然の中を横断できる道路とあって、絶景ロードと名高い大分県道・熊本県道11号別府一の宮線、通称「やまなみハイウェイ」。大分県の由布院と熊本県の阿蘇という2大観光地をつなぐこの山岳道路は、日々訪れる観光客だけではなく地元のライダーにも愛されている。程よいワインディングを抜けると一面に緑が広がるロングストレート、そしてまたワインディング・・・山々に囲まれながら草原の間を走り抜ける快感は、正にバイクに乗る醍醐味といって過言ではないだろう。

クシタニカフェ阿蘇は、そのやまなみハイウェイの中間地点に佇むドライブイン 瀬の本レストハウス 内に位置する。カウンター席とソファー席をそれぞれ広くとった店内は、写真撮影スポットや名だたるライダーたちが実際に使用したニースライダーのインテリア、充電に利用可能な電源など、ライダーに嬉しい設備が揃う。クシタニカフェとして共通のレシピでも、できる限り素材に地元・阿蘇の水や食材を採用しており、是非食べ比べしたいところだ。窓の外に広がる景色が走りたい気持ちを掻き立てるが、はやる気持ちをコーヒーの香りで落ち着かせよう。ゆっくり座って眺める時間もまた良いものだ。

九州には他にもライダーにはたまらない絶景ロードが数多く存在する。それぞれに自然の壮大さを、季節の息吹を、そして畏怖を全身で感じることができる。自然との共生、人々の積み重ねてきた歴史、バイクに乗る楽しさを再認識させてくれる九州の旅は、何度訪れても終わることがない。

ライダーズカフェを開くきっかけは?

前身となるクシタニカフェの一号店は、2013年に神奈川県の箱根ターンパイク内 大観山展望台にポップアップストアとしてオープンした。

箱根ターンパイクといえば、近郊のライダーにとっては言わずと知れたワインディングルート。そのような場所だからこそ、縁石に座って缶コーヒーを飲むよりも、ゆったりとしたラウンジでおいしいコーヒーを味わってほしいと思った。そこで口にするのは、薫り高いコーヒーや気持ちを落ち着かせるハーブティー。オーガニック素材にこだわったメニューの数々は、バイクを操ることに夢中になり疲れた身体を優しくいたわる。店内の中央には、プロテクション装備を中心にバイクウェアを展示・販売した。

ライダーを守り、バイク文化を守りたい。バイクのある生活を、より魅力的なものに高めたい。あくなき探究心が、ものづくり同様に品質を追求し、「本物」にこだわるカフェを誕生させた。