ラッコによる被害も
また北に目を向けると、北海道周囲の海ではやはり絶滅危惧種であるラッコによるウニの漁業被害が、年間数億円規模にも上っています。ラッコは世界的に保護されている動物で我が国も倣っており、どれだけ漁業被害が出ても駆除を行えないため現地の漁師にとって憎むべき大敵となっています。
このように、世界的な潮流も踏まえて絶滅危惧動物の保護を訴える人々と、いま目の前でその動物による被害が発生し続けている漁業者など現場との間には、容易に埋まらない深い溝が存在します。当該生物の生息数を正確に把握し種の保全に危険が出ない形で保護を行うなど、より柔軟な方法で対策を行っていく必要があるのではないかと感じます。
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<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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