ーー 詳しく知りたいです。
有馬 これまではコントロールできる重量で効かせるようにやっていました。でも、増量するには高重量でやることが必要だと思い、とにかく使用重量を増やすようにしました。ベンチプレスで10年ぶりくらいにマックスに挑戦してみたり、バックプレスは一番重くても60㎏までしか扱っていなかったのを70㎏に増やしたり、バーベルカールも40㎏を50㎏まで増やしたトでできなくなったらチーティングを使ってネガティブで効かせることもやりました。
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ーー それがカチッとはまった。
有馬 体の反応が違いました。ベンチプレスは20代のときに上げた117・5㎏がマックスでした。それ以来、マックスではやっていなかったんですが、日本フィジークの1週間前にやってみたら、125㎏が上がったんです。20代のころの記録を40 歳になって更新できました。

ーー 分割やルーティンなども変化させたのですか。
有馬 それまでは背中と二頭筋、胸と三頭筋、脚と肩の3分割で週に3回から4回でやっていました。今回は背中、胸、脚と二頭筋、肩と三頭筋の4分割で週5回はやるようにしました。

ーー 使用重量の設定は?
有馬 種目にもよるんですが、だいたい5~7回。多くても10回できる重量、それを3~4セットずつやっていました。普段は使っていなかったベルトやマウスピースも使うようになりました。

ーー フィジークではボーダーパンツを着用するので大腿部は隠れますが、脚のトレーニングもしっかりとやられているのですね。
有馬 バックポーズを取ったときにお尻のラインは見られます。お尻を強化するにはスクワットやランジ、デッドリフトをやらなきゃいけない。またそれらの種目は体幹の強化にもつながります。体幹の強化は姿勢にもいい影響を与えるので、脚のトレーニングはやっていました。当日の体重は72㎏前後だったと思います。結果は準優勝でしたが、過去最高の体を作ることができたので納得しています。

ーー 大阪オープンフィジークの優勝で満足していたら、この結果は得られなかったかもしれません。
有馬 同じ失敗を繰り返さないために研究することが大事なんだと思いました。少し変えたくらいでは、見た目はそれほど変化しないと思うんです。自分では髪型を変えたつもりでも、周りの人たちに気づかれないことってありますよね。自分では「短くすぎたかな?」と感じるくらいで、ようやく周りの人たちが気づいてくれる。今回は食事面もトレーニング面も自分の常識を崩して、大げさに変えていきました。

ーー 最近になって取り入れたものはありますか。
有馬 先日、医学博士の白澤卓二先生の「ケトジェニックダイエット」の講習を受けたんです。これは簡単に言うと糖を取らずに中鎖脂肪酸を取って、ケトン体をエネルギー源にするというものです。ぼくはゼロカーボのダイエットは反対派だったんです。

ーー そういう方は多いです。
有馬 12月1日に講習を受けて現在3週目に入ったところです。最初の2週は1食で糖質を20gに抑えます。もうほとんど取っていないに等しい量です。3週目に入ってからは一食40g の糖質に切り替えます。体重も2㎏スムーズに落ちましたが、疲労感もありません。3週目に入って糖質を増やすと2日で体重は2㎏戻りましたが、皮下脂肪がそれまでの2週間で落ちているせいか、リーンな状態を保てています。力も落ちていませんし。空腹もあまり感じないです。今年のコンテストではこの方法を取り入れてみようと考えています。

有馬康泰(ありま・みちひろ)
日本体育大学体育学部体育学科卒業。1999 年に国際ライセンスを取得し、パーソナルトレーナーとして独立。2009 年からはアンダーウェア&フィットネスモデルとしても始動。カラダづくり専門トレーナーとして指導し、2014 年3月には自らが代表を務めるジム「EVOLVE.」をオープン。

執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

提供元・FITNESS LOVE

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