北野天満宮のご利益

北野天満宮は「学問の神さま」「芸能の神さま」として広く知られています。道真公が勤勉で武芸に長けていたことから「ご利益」があるとされ、毎年多くの受験生が合格祈願に訪れます。道真公は読み書き算盤や書道の達人であったことから、新春1月2日には書芸向上にちなみ、天神さんの神前で書初めを行う「天満書」や1月5日には算盤はじき初めなどが行われます。

北野天満宮は京都随一の梅の名所としても有名です。道真公が梅の花を愛していたことから境内には50種1,500本の梅が植えられ、2月初旬~3月上旬が見頃です。梅花祭では野点大茶湯が行われ、上七軒の舞妓・芸子さんによるお点前をいただくことができます。
北野天満宮は年間を通して行事が多く、みどころが多い神社のひとつです。
北野天満宮の七不思議

北野天満宮には古くから伝わる七不思議があります。何気なく通り過ぎてしまう参道や社殿を注意深く観察してみると、北野天満宮の参拝の楽しみが広がります。ご利益をより感じられる七不思議スポットをご紹介します。
1. 影向松(ようごうのまつ)

影向松は北野天満宮創建当時からある御神木で、大鳥居をくぐってすぐ右側にあります。道真公の死後、ある初雪の日に大宰府から仏舎利が松の枝にかかったそうです。それはお釈迦様が降臨したような光景で、影向松(ようごうのまつ)と呼ばれるようになりました。例年初雪の日には「道真公が歌を詠まれる」とされ、「初雪祭」が開催されます。
2. 筋違いの本殿

北野天満宮の本殿は楼門とやや左にずれた場所に本殿があり、正面には地主社とよばれる摂社が建てられています。地主神社は北野天満宮が創建する以前より建てられ、社殿を建てる際に、地主社を避けたため、楼門の真正面に社殿が建てられませんでした。
3. 星欠けの三光門


本殿前の中門は北野天満宮のみどころのひとつです。太陽・月・星を表す「三光」に由来し、三光門といいます。中門の内側には、太陽と月の彫刻が施されていますが、星の彫刻が存在しません。平安時代の御所から北西を臨むと、ちょうど北野天満宮の真上に北極星が輝いていました。天上の北極星を日・月・星の「星」としたことから星を彫刻せず、星欠けの三光門とよばれています。
4. 大黒天の燈籠

大黒天の燈籠は「金運だめし」のご利益スポットです。北野天満宮の燈籠のなかに。大黒天が刻まれている石燈籠がひとつあります。大黒様が刻まれている石燈籠があります。大黒様の口がへこんでおり、ここに小石をのせると金運試しができます。もし小石を載せることができたら、その小石を財布に入れ祈りましょう。「お金」に困らないといわれています。三光門の南側に東西にかかる参道にあるので探してみてください。
5. 唯一の立ち牛

北野天満宮の境内には数多くの神牛の像や彫刻があります。道真公が丑年であったことに由来しています。ほとんどの牛が坐った状態の臥牛(伏した牛)ですが、ひとつだけ立ち上がった牛が存在します。拝殿中央に刻まれた欄間(らんま)です。躍動感のある牛の彫刻はほかの牛とはまったく異なる印象で、道真公の芯の強さが感じられます。
6. 裏の社

通常神社の拝殿は表のみですが、北野天満宮には裏側にも拝殿があります。裏側には「御后三柱(ごこうのみはしら」という三体の神様が祀られており、三柱は菅原道真公のご先祖様、おじい様、お父様です。北野天満宮を参拝する際は表の本殿だけでなく、裏の社にも礼拝しましょう。
7. 天狗山

天狗山は北野天満宮の北西角にある小山です。北野天満宮は平安京の北西(乾の方角)の守護神とされてきました。その北野天満宮の北西角にある天狗山は、境内のなかでも神聖な場所とされ、崇められてきました。一願成就の神牛を祀る牛舎や絵馬があります。