午前0時を過ぎると東の空に冬の星座が昇ってきています。

なかでもぱっと目につくのが、オリオン座。明るい星が多く特徴的な形から、特に星座に詳しくなくても空を見ればわかるポピュラーな星座です。

そのオリオン座に放射点を持つオリオン座流星群が今年は好条件なので、観測情報を紹介します!

「オリオン座流星群」の観測情報

オリオン座流星群
Credit: EarthSky Community Photos / Randy Fullerton

まずは、観測に必須の情報や、気をつけたいことについてです。

いつどこで見える?

今年は10月22日の午前3時頃に極大を迎えると予想されているので、そこから明け方までが狙い目です。明け方に近づくほど放射点が高くなり、流星の数は増えていきます。

なお、22日の日の出時刻は05時54分(東京都)。たいぶ日が昇る時刻が遅くなりましたね。

10月22日午前3時頃の南の空
Credit: Ofugutan / オリオン座流星群の放射点(国立天文台の星図をもとに編集)

こちらは10月22日午前3時頃の南の空。オリオン座はほぼ真南に高く昇り、とても観測しやすい位置にあります。

流星が出現する放射点の位置は、オリオンの肩にあたる赤い星、ベテルギウスの左上あたり。

近くにある火星も目印になります。2年2カ月ごとに地球に接近する火星は12月1日に地球へ最接近するので、今はかなり近くなり、明るく輝いています。

ただ、放射点だけを見る必要はなく、放射点を意識しつつ空の広い範囲を見るようにしましょう。

月明かりは影響なし

流星観測の際にもっとも気になるのが月明かりですが、22日は新月になる2日前。細い下弦の三日月なので、邪魔になりません。

流星群が極大の時刻は東の低い空に出ていますが、観測への影響はほとんどないと思われます。

どれくらいの流星の数が期待できる?

1時間に見える数は5個程度と予想されています。オリオン座流星群は明るい流星が多いのが特徴なので、冬の明るい星の中でも目立つことを期待しましょう。

オリオン座流星群の雑学

都内で撮影したオリオン座
Credit: Ofugutan / オリオン座(都内で撮影)

観測をもっと楽しむために、オリオン座流星群がどのような流星群なのかを解説します。

オリオン座流星群の母天体は?

流星群は彗星が公転軌道上に残したチリの中を地球が通るとき、大気にチリが飛び込むことで起こります。

地球が彗星の公転軌道上を通る日時はだいたい決まっているため、流星群は毎年ほぼ同じ時期に起こります。そして、チリに飛び込む地球の頭部分が放射点というわけです。

ハレー彗星
Credit: NASA / ハレー彗星

流星群のもとになったチリを出した天体を母天体といいますが、オリオン座流星群の母天体はハレー彗星

オリオン座流星群は三大流星群には含まれないものの、母天体が有名なのでちょっと興味をそそられませんか?

ちなみに、みずがめ座η流星群も母天体は同様にハレー彗星です。そして、三大流星群は「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」「しぶんぎ座流星群」となります。

大出現の年もある

実は2006年のオリオン座流星群は、1時間あたり100個以上もの流星が観測されました。

このオリオン座流星群の活発化は、紀元前のある時期にハレー彗星から放出されたダストの群れに地球が遭遇したために起こったことがわかったそうです。

また研究結果では、こうしたダストとの遭遇によるオリオン座流星群の活発化は、ほぼ70年ごとに起きていることも示されているとのこと。

ハレー彗星の公転周期が75.3年と近いので、それも関係しているのかもしれませんね。

しし座流星群も約33年ごとに大規模な流星群が見られますが、母彗星のテンペル・タットル彗星の公転周期も33年となっています。

ということで、オリオン座流星群が次に活発になるのは2076年頃。気長に待たなくてはなりませんね。

今年はそんな大出現ではないですが、オリオン座を含む冬のダイヤモンドと一緒に流れ星が見えたら素敵ではないでしょうか。

このところ雨の日が続いていましたが、週末は晴れるところが多く、空気も澄んできれいな星空が見えそうです。ぜひ観測に挑戦してみましょう。

参考文献

ASTROGUIDE 星空年鑑2022
日の出・日の入りマップ
国立天文台 ほしぞら情報
国立天文台 アストロ・トピックス No.512