
東京商工リサーチのまとめによると、「酒場、ビヤホール(居酒屋)」を運営する主要337社の2021年度の売上高合計は前年度比19.5%減の3454億円となり、2年連続で大幅に減少した。
新型コロナウイルスの感染症拡大が始まってから、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返され、居酒屋の営業は大幅に制限されてきた。休業や時短営業で客足が遠のき、20年度の売上高は46.4%減とほぼ半減、4293億円に縮小した。21年度はそこから一段と減少、コロナ禍前の19年度の8011億円に比べて4556億円の売上が蒸発、市場規模は約6割減となった。
337社の21年度の最終利益は合計で101億円の赤字だった。前年度の1334億円の赤字に比べれば赤字幅は大きく縮小したが、本業で稼いだ利益ではなく、持続化給付金や休業協力金などの貢献が大きかった。
21年度の居酒屋倒産は150件で、過去30年間で最多を記録した20年度の175件から減少した。だが、コロナ関連倒産が85件発生するなど業況悪化に歯止めはかかっておらず、過去2番目の高水準だった。
居酒屋はコロナ禍前から人手不足や人件費の高騰に加え、宴会需要の減少や若者のアルコール離れなど構造的な課題を抱えている。東京商工リサーチでは、「コロナ禍に続いて物価高に見舞われ、収益悪化の構造から抜け出せない居酒屋は、抜本的なビジネスモデルの見直しも求められている」と指摘している。
提供元・DCSオンライン
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